Goods Q&A
Q.ボールの寿命は本当にあるのでしょうか?
   あるのなら、どうすれば寿命は伸びますか?
A.『寿命』というより『引退』 

ショップでもお客様から「ボールの寿命ってどのくらいですか?」という
質問をよく受けます。
そんなとき、僕は「ボールが割れて、
投げられなくなるまでが寿命ですよ」と答えるようにしています。
とはいうものの、最近のボールはカバーストックの構造から、
使っていくにしたがって
徐々にボールの切れが悪くなり、ピンアクションも
弱くなってしまうのも事実です。
そして、思うようなパフォーマンスをしてくれなくなったボールに対して、
「寿命がきた」と、そのボールを処分します。
個人的には「寿命」というより「引退」という言葉のほうが
ふさわしいと思っています。
レーンコンディションやその他の事情により、
現役復帰する場合もあるし、実際まだ投げられるわけですから。
いつ引退させるかは、ボールを使う人の判断になります。
また、日頃のメンテナンスによって、できるだけ長く
現役でプレーさせることができます。
ぜひボールに愛情を注いでくださいね。



ボールを長持ちさせるためには
日頃のメンテナンスが欠かせない

ボール表面の汚れを落とすクリーナーやボールに染み込んだオイルを
抜くリムーバーなど豊富な製品か出ている。



ボールを長持ちさせるメンテナンス
今のハイパフォーマンスボールは、
カバーストックがオイルを吸収することにより、
レーンを効果的にキャッチする構造になっています。
そしてオイルは無限に吸収されるわけではなく、
いつかは飽和状態になってしまいます。
オイルが飽和状態になると、レーン上のオイルを吸収できなくなるので、
摩擦力が低下します。
結果、ボールのパフォーマンス(=動きとピンアクション)が悪くなります。
(ボールがピンヒットするときにレーンキャッチが弱いと、
ピンアクションは悪くなります。)
それでは、どのようなメンテナンスをすれば、
ボールのパフォーマンスを長く保つことができるのでしょうか?


ゲーム中はマイクロファイバータオルでオイルを拭き取る


ボールメンテナンスの基本は、投球後に付着する
オイルを取り除いてあげることです。
1球ごとにボールクリーナーを使って、
しっかりと拭き取ってあげたいところですが、
JBCなどのルールでは、ゲーム中にボールクリーナーを
使用することは認められていません。 
ルール上、禁止されている「ゲーム中のボールの表面加工」と
みなされるからです。
そこでクリーナーを使用せずに、できるだけしっかりと
オイルを取る手段として、 
マイクロファイバータオルを使用することをお勧めします。 
マイクロファイバータオルは超極細繊維でできているので、
小さな汚れも拭き取りやすく、
また優れた吸収性で効果的にオイルを拭き取ります。


投げ終わったらボールクリーナーでしっかり拭く
その日のボウリングが終わったら、
必ずボールクリーナーでオイルと汚れを拭き取ってください。
ボールのパフォーマンスを維持するために、
必ず実践していただきたいことです。
そこでよく聞かれるのが、ボールクリーナーの種類が
多くて「どれを使えばいいのですか?」という質問。
この質問に対して「この製品が一番いいですよ」と断言はできません。
ボールクリーナーの成分は、各メーカーにとって企業秘密なので、
発表されていないからです。
ボールクリーナーは、大きく分けると有機溶剤系、
界面活性剤系、アルカリイオン水系があります。
完全にこの3つに分かれるというよりは、
どの種類にべ−スを置いて作っているか、という感じで、
実際にはこれらをミックスさせたり、濃度や比率を変えて
製品化されています。
どのボールクリーナーがどの種類なのかは、
商品名やクリーナーの乾くスピードで、ある程度想像はできます。
いずれにせよ、クリーナーを使用するときの
大切なポイントは、クリーナーを拭き取るタイミングがあるということです。
ちなみにクリーナーの容器には、
スプレータイプとムースタイプがありますが、
ムースタイプはできるだけ長くボール表面に
クリーナーを付着させるものなので、
しっかりと時間をとってから(それでも乾く前に)拭き取ってください。
  

投球前にクリーナーを使用する
ボールクリーナーを使用してボールをしまっておいたとしても、
次に使用するときにはボールの深層部分に残っているオイルが、
表面張力によりボール表面に浮き上がってくることがあります。
そこで、投球前にクリーナーを使用してボールを拭くと、
ボール表面がフレッシュな状態になり、
よいパフォーマンスを発揮します。ぜひ試してみてください。



ボールの汚れを拭きとるクリーナー。
スプレータイプの他、ペーパータイプもある。
ボールクリーナーだけでは除去しきれないオイルの
汚れを取るオイルリムーバー






定期的にオイル抜きをする
投球後にボールクリーナーを使用していても、完全にオイルが
除去されるわけではなく、次第に蓄積されてきます。
そこで定期的(目安として30ゲームごと)にオイル抜きをしてください。
オイル抜きは、オイル抜き機(オイルリムーブマシン)を使うのが
ベストだと思います。
また、オイルリムーバーといわれる深層部のオイル除去に
特化した配合のオイルクリーナーを使用しておこなうこともできます。
ちなみに、ボールを温めるとオイルは出てきますが、
オイルと一緒に可塑剤と呼ばれる添加物が抜けてしまい、
ボールが割れやすくなりますので気をつけてください。



オイルリムーブマシンを使ったオイル抜き。
30Gを目安におこないたい。



ボールクリーナーの3つのベース

○有機溶剤

基本的にものを溶かす力があるので、油や汚れを溶かして落とします。
また、揮発性の高いものが多くあります。
クリーナーではよく「アルコール系」などと呼ばれるのも
この種類に含まれ、ボール表面の汚れを落としやすく、
また揮発性に優れてるので、表面を乾かしやすい特徴があります。
揮発性の高いクリーナーを使用する場合は、
ボールに吹きかけたクリーナーがすぐに乾いてしまうため、
素早く拭き取ることが大切です。



○界面活性剤
浸透率が高いので、ボールの表面だけでなく、奥に染みこんだ
オイルの除去に有効です。
界面活性剤は本来、交わらない水とオイルを、
水の表面張力を落とすことにより混ざり合わせ(乳化)、
オイルを取り除きます。そこで、界面活性剤のクリーナーを
使用する場合は、乳化する時間をおくようにします。
目安は20秒以上で、こちらもクリーナーが乾く前に拭き取ります。



○アルカリイオン水
水を電気分解することによりできるアルカリ性の水です。
特徴は、ph(ペーハー)が高いほど、高い洗浄性、浸透性、
防腐性、防錆性、抗菌効果を発揮します。
浸透性は、界面活性剤よりもさらに高くなります。
アルカリイオン水系の場合も、吹きかけてから時間をおき、
乾く前に拭き取って下さい。





回答 矢野金太
profile
1964年生まれ。神奈川県出身。91年プロ入り。
JPBA公認A級インストラクター、日本体育協会公認ボウリングコーチ。
神奈川県立釜利谷高校の専属コーチとして4回の全国健勝に導く。
現在、P★LEAGUEも解説。潟vロショップKINTA代表取締役。


BOWLING SEMINAR LectureA 
ボウリングマガジン2017.10月号より
Goods Q&A
講義A

ボールクリーナーには、液体スプレータイプ、ムースタイプ、
ウエットティッシュタイプなどがありますが、
使い方が今ひとつ分かりません。正しく効果的な使い方を教えてください。
また、バケツにお湯を入れてボールのオイル抜きをするという方法についても聞きたいです

A

各メーカーからいろいろな種類のボールクリーナーが発売されています。
ボウラーとしても、どれを選んでいいのか迷ってしまうところですよね。
知識を身に付けて、お気に入りを見つけてください。
それでは、まずは液体スプレータイプ、ムースタイプ、
ウエットティッシュタイプの違いについて説明します。


クリーナーのタイプ



スプレータイプ


以前はスプレータイプの商品はなく、プラスティック容器に
クリーナー液が入っているだけのものがほとんどでした。
それだと、いったんタオルにクリーナー液を染み込ませるか、
直接クリーナー液をボールにかけるので、ムラや無駄がありました。
スプレータイプの登場で、ムラや無駄はずいぶん軽減できたと
いうことです。




ムースタイプ

リアクティブボールの出現後、ボールに染み込んだ
オイルや汚れを浮かせて拭き取る必要が出てきました。
リアクティブボールにはミクロレベルでの隙間や
小さな穴があり、オイルや汚れが、その中へ入り込んで、
ボールパフォーマンスを低下させるからです。
染み込んだオイルや汚れを浮かせるには、
クリーナー液を
20秒から30秒ほどボール表面に
付着させておかなければなりません。

そこで効率良くボール表面に付着させる目的で
ムースタイプのクリーナーが発売されるようになりました。
ムースタイプ
メリットボール表面に長くクリーナー液を
付着させれることです。




ウエットティッシュタイプ

最近では各メーカーから
使い捨て
ウエットティッシュタイプのクリーナーが販売されています。
クリーナー液を染み込ませたワイプシートは、
ボールの汚れを落としやすく、
また、そのままかぶせておくことでボールに染み込んだ
オイルや汚れをしっかりと浮かせることもできます。
使ってみるとよく分かりますが、ウエットティッシュタイプの
メリットは『簡単・手軽・便利』です。



ボールクリーナーの成分
ボールクリーナーの成分は企業秘密で、聞いても教えてくれません。
ですが基本的には
『アルコール系』
『界面活性剤系』
『アルカリイオン系』
とあり、
実際には、これらをミックスさせ、
配合や濃度を調整して商品化されているようです。



アルコール系溶剤が多い場合には、
表面の汚れを落とすのに向いてます。
しかし、揮発性が高くボールに染み込んだオイルや
汚れを浮かすことには向いていません。



一方、
界面活性剤系のクリーナーは、
揮発性がアルコール系より低いので、
ボールの表面に付着してる時間が長く、
また浸透率も高いため、
ボールに染み込んだオイルや汚れを除去しやすくなります。


アルカリイオン系は、
浸透率がさらに高くなることや、安全性が高いことが特徴です。




クリーナーとオイルリムーバー

最近のクリーナーはオイルリムーバーの要素も含まれています。
オイルリムーバー専用として発売してる商品は、
より深層部のオイルが取れるように配合したものと思われます。
オイルリムーバーとクリーナーを一緒に使うときは、
オイルリムーバーが先、最後にクリーナーを使います。




クリーナーの効果的な使い方

ボールのキレやピンアクションを長く保ちたいのであれば、
ボールを使い終わったらすぐにクリーナーで
オイルや汚れを拭き取ることです。
これは、

ボールの寿命を長持ちさせる基本中の基本
です。

その際、クリーナーをボールにかけたら
必ず
20秒から30秒時間をおいてください。
この時間を取らないとボールに染み込んだ
オイルや汚れは取れません。


また裏技として、投球を始める前にクリーナーで
ボールを拭くこともお勧めです。
ボールバックにしまった状態でも温度や表面張力の関係で、
ボール表面にオイルや汚れが浮いてくるからです。
投球直前にボールの表面をフレッシュな状態にすることで、
ボールのキレやピンアクションが良くなります。

注意点
クリーナー使用時
公式戦では、試合中にボールクリーナーを
使用することは禁止されています。
試合中の表面加工とみなされるからです。
マイクロファイバータオルなどを使って
オイルを拭き取るようにしましょう。




オイル抜き

使用後にボールクリーナーを使用していても、
完全にオイルが除去されるわけではなく、
次第に蓄積されていきます。
そこで定期的にオイル抜きを行ってください。

オイル抜きはオイル抜き機(オイルリムーブマシーン)を
使うことがベストだと思います。
また、オイルリムーバーを使用して行うこともできます。

ご質問のように、自宅でバケツにお湯を入れて
オイル抜きすることも可能です。
ボールが浸かるよう。50度くらいの温度のお湯を入れて、
20分から30分くらい浸けてください。
その後、表面に浮いてきたオイルを
ボールクリーナーを使って拭き取ってください。

注意点としては、お湯が熱過ぎると、
オイルと一緒に可塑剤と呼ばれる添加物が抜けてしまい、
ボールが割れやすくなりますので気をつけてください。




回答 矢野金太
profile
1964年生まれ。神奈川県出身。91年プロ入り。
JPBA公認A級インストラクター、日本体育協会公認ボウリングコーチ。
神奈川県立釜利谷高校の専属コーチとして4回の全国健勝に導く。
現在、P★LEAGUEも解説。潟vロショップKINTA代表取締役。


 


Goods Q&A
 Q.上級者の方に、
ボールの表面を変えたら?と言われました。
   どういう意味なのでしょうか?
   どうすればいいのか、分かりやすく教えて下さい。

A.表面加工でボールの性質を変える

『ボールの表面を制するものは世界を制す!』

世界で戦うトップボウラーが、
当たり前のように使っている言葉です。
ボールの表面とは、その素材である場合と、
表面の加工である場合があります。
レーンコンディションによって、よりそのコンディションに合う
素材のボールを選んだり、
コンディションに合う表面に加工する技術が、
世界を制するためには重要だということを言い表しているのです。

 あなたが上級者の方から受けたアドバイスは、
表面加工のことのようです。
表面素材がレーンコンディションに合っていない場合は、
ボールチェンジを勧められるからです。

ボールの表面というのは、実は簡単に加工できます。
 たとえば、オイリーレーンでボールが曲がらないときに、
サンディング加工といって、表面をザラザラに研磨すると、
ボールが曲がるようになります。
今までボールが曲がらずに『速い』と思っていた
レーンコンディションが、表面の加工によって
普通のコンディションに感じられたりします。
 逆にライトオイルで『遅い』と感じていた
レーンコンディションのときに、ボールを
ポリッシュ(ピカピカに磨き上げる)加工すると、
ボールが走るようになり、
遅さを感じにくくなります。
 ボールの表面を変えることにより
『本当に同じボールなの?』と思うほどパフォーマンスは変わります。
もちろん、サンディング加工でもポリッシング加工でも、
よりザラザラに削ったり、軽く磨いたりという風に、
程度の差で微調整をすることができます。



サンディング加工
 ボールをサンディングする場合は、
アブラロンパッドやマイクロパッドを使用します。
 アブラロンパッドやマイクロパッドには、その目の粗さによって、
たとえば500番、1000番、2000番
というように番手というものがあります。
 数字の小さいものの方が目が粗く、
ボールの表面をザラザラに仕上げることができます。
 番手の大きいものから番手の小さいものへの加工
(2000番で仕上げたがっていボールを
500番仕上げにするなど)は、
いきなり500番のアブラロンを使用してすぐにできますが、
番手を上げる場合(500番で仕上がっているボールを
4000番へ仕上げるなど)は、前の番手の凹凸を
消していかなければならないので
『500番→1000番→2000番→3000番→4000番』と
いうように、段階を踏んだほうがよいでしょう。




サンディング加工に使う
アブラロンパッド。

360、500・・・などの数字が目の粗さを表している。
よりザラザラに仕上げたい時は数字の小さい方を使う。



ポリッシング加工
 ボールをポリッシュする場合は、ボールクリニックや
ボールポリッシャーなどのボールメンテナンスマシンを使用するか、
ボールスピナー(ボールを高速で回転させる機械)を使用します。



ボールポリッシングは手作業でも不可能ではありませんが、
その労力を考えると、機械にまかせた方がいいでしょう。
 ボール研磨剤はメーカーごとにいくつか種類がありますが、
その多くはどちらかといえば業務用で、
小売りを想定していないものが多いです。






その中で、サンブリッジ社から発売されている
『ロイヤルコンパウンド』『ロイヤルシャイン』などは、
ブランズウィック工場で使用されている研磨剤を
一般のボウラーが使用できるように小売りされています。





ボールスピナーでボールを研磨しているところ。
手作業よりも綺麗に仕上がる。
ボールスピナーを使ってコンパウンドをかけるとポリッシュ加工ができる



サンディングからポリッシングまで可能な
ボールメンテナンスマシン 『ボールクリニック』



『ロイヤルシャイン』(左)は5000番相当、
『ロイヤルコンパウンド』(右)は2500番相当の液状研磨剤




知っておきたい表面加工ルール
表面加工に関して、知っておいてほしいルールが3つほどあります。
ぜひ覚えておいてください。

@320番より粗い番手で仕上げたボールを
使用することはルール上禁止されています。

Aボールの一部だけを研磨することは禁止されています。
研磨する場合はボール全体を研磨しなければいけません。

B大きな大会では、ゲーム中の表面加工は
禁止されている場合があります。
必ず確認してください。
ちなみに全日本ボウリング協会(JBC)では、
ゲーム中での加工は禁止されています。
10フレームを投げ終えて、
次のゲームがスタートするまでは認められています。
プロの公式戦では、ゲームがスタートしたら、
そのシフト中は加工が認められていません



一番簡単なアベレージアップの
ためのテクニック

現場でよく感じるのは、表面加工をしたがらない、
あるいは表面加工について知らないボウラーが多くいることです。
表面加工はボウラーにとってアベレージを
上げるための大切なテクニックであり、ある意味、
一番簡単で即効性があります。
トップボウラーは、必要を感じたときは当たり前のように表面加工をします。
ぜひ皆さんもチャレンジしてください。
 まずは同じボールでサンディングとポリッシュを経験すること。
いろいろと経験することで、見えてくることがあるでしょう。



回答 矢野金太
profile
1964年生まれ。神奈川県出身。91年プロ入り。
JPBA公認A級インストラクター、日本体育協会公認ボウリングコーチ。
神奈川県立釜利谷高校の専属コーチとして4回の全国健勝に導く。
現在、P★LEAGUEも解説。潟vロショップKINTA代表取締役。












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  【商品について】
 ●商品ラベルのデザインは、予告なく変更する場合があります。
 ●改良にともない商品の仕様(バージョン)は予告なく変更になる場合がございます。
 ●容器のデザインは、ロットにより変更になる場合があります。
 ●画像・イラスト・図解は、効果をわかりやすく説明するためのイメージです。
 ●商品の写真につきましては、できるだけ実物の色に近くなるように努めておりますが
  お使いの環境(モニター、ブラウザ等)の違いにより、
  色の見え方が実物と若干異なる場合がございます。


 【クリーナーのカラーについて】
 ●生産時期により、着色カラーが多少が異なる場合がございます。

 【商品の金額について】
 ●材料の仕入れ価格などにより変動します。







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