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各メーカーからいろいろな種類のボールクリーナーが発売されています。
ボウラーとしても、どれを選んでいいのか迷ってしまうところですよね。
知識を身に付けて、お気に入りを見つけてください。
それでは、まずは液体スプレータイプ、ムースタイプ、
ウエットティッシュタイプの違いについて説明します。
クリーナーのタイプ
スプレータイプ
以前はスプレータイプの商品はなく、プラスティック容器に
クリーナー液が入っているだけのものがほとんどでした。
それだと、いったんタオルにクリーナー液を染み込ませるか、
直接クリーナー液をボールにかけるので、ムラや無駄がありました。
スプレータイプの登場で、ムラや無駄はずいぶん軽減できたと
いうことです。
ムースタイプ
リアクティブボールの出現後、ボールに染み込んだ
オイルや汚れを浮かせて拭き取る必要が出てきました。
リアクティブボールにはミクロレベルでの隙間や
小さな穴があり、オイルや汚れが、その中へ入り込んで、
ボールパフォーマンスを低下させるからです。
染み込んだオイルや汚れを浮かせるには、
クリーナー液を20秒から30秒ほどボール表面に
付着させておかなければなりません。
そこで効率良くボール表面に付着させる目的で
ムースタイプのクリーナーが発売されるようになりました。
ムースタイプのメリットはボール表面に長くクリーナー液を
付着させれることです。
ウエットティッシュタイプ
最近では各メーカーから使い捨て
ウエットティッシュタイプのクリーナーが販売されています。
クリーナー液を染み込ませたワイプシートは、
ボールの汚れを落としやすく、
また、そのままかぶせておくことでボールに染み込んだ
オイルや汚れをしっかりと浮かせることもできます。
使ってみるとよく分かりますが、ウエットティッシュタイプの
メリットは『簡単・手軽・便利』です。
ボールクリーナーの成分
ボールクリーナーの成分は企業秘密で、聞いても教えてくれません。
ですが基本的には
『アルコール系』
『界面活性剤系』
『アルカリイオン系』とあり、
実際には、これらをミックスさせ、
配合や濃度を調整して商品化されているようです。
アルコール系溶剤が多い場合には、
表面の汚れを落とすのに向いてます。
しかし、揮発性が高くボールに染み込んだオイルや
汚れを浮かすことには向いていません。
一方、界面活性剤系のクリーナーは、
揮発性がアルコール系より低いので、
ボールの表面に付着してる時間が長く、
また浸透率も高いため、
ボールに染み込んだオイルや汚れを除去しやすくなります。
アルカリイオン系は、
浸透率がさらに高くなることや、安全性が高いことが特徴です。
クリーナーとオイルリムーバー
最近のクリーナーはオイルリムーバーの要素も含まれています。
オイルリムーバー専用として発売してる商品は、
より深層部のオイルが取れるように配合したものと思われます。
オイルリムーバーとクリーナーを一緒に使うときは、
オイルリムーバーが先、最後にクリーナーを使います。
クリーナーの効果的な使い方
ボールのキレやピンアクションを長く保ちたいのであれば、
ボールを使い終わったらすぐにクリーナーで
オイルや汚れを拭き取ることです。
これは、
ボールの寿命を長持ちさせる基本中の基本です。
その際、クリーナーをボールにかけたら
必ず20秒から30秒、時間をおいてください。
この時間を取らないとボールに染み込んだ
オイルや汚れは取れません。
また裏技として、投球を始める前にクリーナーで
ボールを拭くこともお勧めです。
ボールバックにしまった状態でも温度や表面張力の関係で、
ボール表面にオイルや汚れが浮いてくるからです。
投球直前にボールの表面をフレッシュな状態にすることで、
ボールのキレやピンアクションが良くなります。
注意点
クリーナー使用時
公式戦では、試合中にボールクリーナーを
使用することは禁止されています。
試合中の表面加工とみなされるからです。
マイクロファイバータオルなどを使って
オイルを拭き取るようにしましょう。
オイル抜き
使用後にボールクリーナーを使用していても、
完全にオイルが除去されるわけではなく、
次第に蓄積されていきます。
そこで定期的にオイル抜きを行ってください。
オイル抜きはオイル抜き機(オイルリムーブマシーン)を
使うことがベストだと思います。
また、オイルリムーバーを使用して行うこともできます。
ご質問のように、自宅でバケツにお湯を入れて
オイル抜きすることも可能です。
ボールが浸かるよう。50度くらいの温度のお湯を入れて、
20分から30分くらい浸けてください。
その後、表面に浮いてきたオイルを
ボールクリーナーを使って拭き取ってください。
注意点としては、お湯が熱過ぎると、
オイルと一緒に可塑剤と呼ばれる添加物が抜けてしまい、
ボールが割れやすくなりますので気をつけてください。
回答 矢野金太
profile
1964年生まれ。神奈川県出身。91年プロ入り。
JPBA公認A級インストラクター、日本体育協会公認ボウリングコーチ。
神奈川県立釜利谷高校の専属コーチとして4回の全国健勝に導く。
現在、P★LEAGUEも解説。潟vロショップKINTA代表取締役。
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