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 ストームは、『固形添加物をナノレベルまで細かくしたものをリアクティブに
 混入することで、化学合成によって作られた凸凹の途中にさらに細かい凸凹を生み出し、
 元の山が摩擦劣化しても、表面をリサーフェーシングすることで新たな凸凹を生み出し、
 Ra値を保持するというメカニズムを開発しました。』という辺りの簡単なイメージ図で説明します。
 
 
 
 まずは下記のイメージ図を見てください
 
  ○△□があります
 これはボールの樹脂に混ぜている固形添加物です。
 ○はオイルに滑るパール系の素材
 △はオイルに噛むテクスチャー系の素材
 □もオイルに噛むテクスチャー系の素材です。
 この○△□の量でボールのパフォーマンスを調整しています。
 適度なスキッドと奥でのキレや曲がりを調整してるわけですね〜♪
 多すぎず少なすぎずとういう絶妙なバランスなのです!!
 
 
 ですが…
 この△や□のトゲトゲは39ゲームで角が飛んでしまい
 平滑な表面になってしまいます。
 そこでリサーフェイシングして新しい角が出てくるまで削ると
 新しい角が出てきますので、またオイルに噛むってことです。
 
 
 
 まぁ…
 削るといっても何ミクロンの世界ですので
 パフォーマンスが低下したら研磨をするのを繰り返すほうが得策だと思います。
 曲がりとキレが維持でき、良い入射角度が保たれスコアーアップもなりますからね
 アブラロンやマイクロパットでの手研磨なら100回以上研磨しても問題ないです。
 (もちろんルール上の最小サイズまでですが…)
 
 
 
 
 
 それが近年のアメリカでのオイルパターンの変化により
 オイルの増加でオイル上でもしっかり噛み、転がるように添加物の変更や調整をおこなうわけ
  上の図は、○△□に☆を加え
 よりよくオイルに対して噛むようにしたものです。
 
 
 
  上の図は○△□☆に手裏剣やひし形や凹や凸を加え
 さらにオイルに対して噛むようにしたものです
 
 こんな感じで、角を増やしてオイルに噛ませるってのが従来のやり方です。
 
 
 
 
 
 
 しかし…
 オイルにもっと噛まないといけない状況になってきまして
 固形添加物の種類にも限界があり
 これ以上は…って状態になってしまい
 新しいテクノロジーが必要になってきたのですね
 
 
 そこで登場したのがナノレベルです!!
 これは固形添加物をナノレベルまですりつぶしたもので
 従来サイズの固形添加物を1/10程度にしたものです。
 
 
 
 
 下記は、ナノレベル固形添加物のイメージ図
 
  
  このナノレベルの固形添加物は、オイルによく噛む
 色んなバリエーションがあるんですけど
 アメリカではこれが良いんです!!
 アメリカ人はパワーがあるから
 噛んでもスキッドしてくれるんです
 
 しか〜〜し
 日本は違う
 ハウスコンディションだと噛みまくる ガチガチに噛みまくるんです!!
 ポリッシュしないと使えない…
 オイルに強いだけじゃダメなんです
 これからは、日本人に合ったカバーストック開発がカギになるのではないでしょうか?
 
 
 
 豆知識
 各メーカーが発売するボールって世界同時発売のアメリカ物と
 日本メーカーのOEMのインターナショナル物があるんですよね
 カタログを良く見るとちゃ〜んと書いてあったりします。
 これは、どういうことかといいますと・・・
 世界中で発売してるボウリングボールは、メーカーは沢山あるけども
 実は数社でしか作ってないんですよ
 (例)
 エボナイト社は、エボナイト、コロンビア300、トラック、ダイノターン、ハンマー、etc…と
 ストーム社は、ストーム、ロトグリップ、プロアマ、グローバル900…と
 ブランズウィックは、ブランズウィック、ラディカル、DV8、etc…と
 大手3社だとこんな感じ
 最近では、モーティブが人気が出てきましたね
 
 (国産だとナノデスシリーズで有名な日本エボナイトだけ)
 ↑↑
 アメリカのエボナイト社とは別物
 
 一般的に、エボナイト傘下のトラック…とかいう表現をします。
 
 
 毎月のように新製品がでますが…大半がOEMでして
 日本オリジナルのボールが沢山なんですよ
 ABSのウェブサイト(トラックのページ)には載ってるが本家(トラック)には載ってないとかありますよね
 こういうのが日本オリジナルのOEMです。
 ABSが設計案(このコアに、このカバーストックで…みたいなの)をだして
 トラック→エボナイトに発注して作ってもらう
 
 どの製造元メーカーもそうですけど
 自社ブランドには最新技術を投入するけど傘下やOEMには、制限された技術や
 以前のテクノロジーでしか製造してくれません
 コアもカバーストックもです。
 
 ボールのパフォーマンスを決めるのは
 コアとカバーストックのマッチングですから一概には言えませんが
 新しいカバーストックの固形添加物で例をあげますと 違う形(▲じゃなくて△とか)
 ▲は新しいから 少し前の添加物△を入れるとかです。
 △が▲になるだけで まったくちがうパフォーマンスになるんですよ
 
 ○△□の量や種類でカバーストックのパフォーマンスを調整していますから
 適度なスキッドと奥でのキレや曲がりは多すぎず少なすぎずとういう絶妙なバランスなのです。
 せっかく見つけた黄金比なんですから 簡単には譲れないですよね
 
 最新技術のボールは当たりもあるけど…はずれもある
 確率論で言うとはずれの方が多い
 オイルに噛みすぎるとか…
 奥でキレないとか…
 ボールが暴れるとか…
 
 お勧めするのは、従来のカバーストックと従来のコアを使ってるボールです
 なぜかというと 当たりだったから 何度も使うわけですよね
 日本人好みのパフォーマンスだから 何度も何度も使うわけですよ
 はずれの確率より当たりのほうが多いですよ?
 
 でもやっぱり、最新技術のを使ってみたいのが本心です…(/。・)
 (つづく…)
 
 
 
 
 
 
  
 
 
 
 
 
 
 以下はボールの歴史と
 ストーム社のカバーストックの拡大図CGです。
 
 1969年
 ポリエステル(プラスチック)
 とっても滑らかでツルツルスベスベです!!
 オイルがあったら全く曲がりませ〜〜んって感じですね♪
 
  
 
 
 
 1981
 ウレタン
 ポリエステルに比べたら少しデコボコしてます。
 少し〜だけ曲がります。
 
  
 
 
 
 1993
 リアクティブウレタン
 90年代に入って開発された新素材で、初期「Xキャリバー」というボールの登場により
 米国のスコア記録がことごとく塗り替えられ一躍ブームとなった素材です。
 ウレタンに可塑剤を添加した物です。
 可塑剤とはプラスチックの材料に広く用いられている添加剤で、
 材料をやわらかくしたり粘り強くしたりするために使用されるものです。
 
 リアクティブウレタンの特性は、摩擦係数は高いのですが、オイル上では小さくなり、
 ドライゾーンでは摩擦が戻るため急激なブレーキがかかりボールにキレのある曲がりを生み出します。
 一般的には走って切れるというイメージです。
 欠点としては、いったんオイルがキャリーダウンしだすとボールの曲がりが不安定になってしまいやすいです。
 
  
 
 
 
 
 2008年テクスチャー系
 98年に米国BW社が開発した「プロアクティブ」を皮切りに、
 リアクティブウレタンに固形添加物といわれる
 マイカ(雲母の粉)やシリカ(ガラス球や中空のガラス球)などを添加しリアクティブがまるでスリックタイヤのような原理を用いているのとは
 逆にレインタイヤの原理とでもいうべき、タイヤのトレッドのように表面のデコボコを利用したトラクション効果で、
 オイルゾーンでもドライゾーンでも摩擦が変化しにくい特性を利用して軌道の安定を図るという狙いの物ですが、
 当初、開発された物はレーンキャッチが過剰で手前から噛みすぎ、
 レーン先での変化が小さくなってしまったため日本ではあまり評判が良くありませんでした。
 しかし開発が進み「カーバイト」を混入にしたボールが出始めた頃からオイルを捕らえる特性を保ちながらも
 バックエンドでの動きがある素材に変化してきました。
 近年では特にオイリーレーン専用の素材と言う訳ではなく幅広いレーンに適応できるボールも出ていて、
 2012年現在のミドルパフォーマンスボールの表面素材の原型となっています。
  
 
 
 2009年
 新素材”R3S”登場。
 R3S は従来のR2SとR2Xを更に進化させ、
 ロフト(レーン手前)はスムーズに、レーン中盤でロール(転がり)を出し、
 バックエンドでは入射角度がより大きくなるよう開発されました。
 業界一優れたサーフェイストポグラフィー技術を更に進化させ開発されたR3Sは、
 R2Xが持つオイル内でのトラクションと、R2Sの持つバックエンドでの強い摩擦を兼ね備えた素材。
 その優れた特徴が表面加工後も維持される
 R2Xのサーフェイステクスチャーを肌理細やかにし、
 反面R2Sを超える非常に高い摩擦係数を持たせることに成功した
 ”R3X”カバーの特徴は、R2Xのレーン中間での”安定感抜群の滑らかな走り”と、
 R2Sが生み出す”強烈なポケットへの入射角度”その両方を兼ね備えている点です。
 
  
 
 
 2011年
 ナノレベル技術の登場です。
 近年のヘビーオイル化に対応すべく
 固形添加物をナノレベルまで細かくすりつぶし
 トラクション効果を向上させたものです。
 見るからにデコボコしててオイルに噛みやすそうです!!
 2012年現在の日本のハウスコンディションだとカミカミでポリッシュしないとやっぱり使いづらい…><
 いわゆる光ってるけどオイルに強いとかいうあれです〜♪
 現在のハイパフォーマンスボールの表面素材のベースとなっています。
 
  
 
 2013年までのストームの各カバーストックのRa値形状比較
 
  
 
 
 2014年
 ストーム社テクニカルチームとの研究開発により日本のレーンコンディション仕様に合わせ、
 新型カバーストック「NRGスムース」を開発
 パフォーマンス寿命の長いナノテク素材のマイクロレベルでの凹凸を調整したカバーで、
 名前の通りレーン手前で噛みすぎない適度な走りが加えられている
 
 やはり、日本人が好む、オイルに強く、走って、切れて、ピンアクションがあって
 良い所取りしたカバーが求められてるんでしょうかね〜
 今回のNRGスムースは、ほんと良く出来ている♪
 でも・・・OEMなんですよね〜
 
 
 
 2015年 新カバー
 “GI-15”(Game Improvement Technology in 2015)は
 “NRG”と“ERG”中間のRa値を持ちバックエンドリアクションを犠牲にすることなく
 より強い摩擦を生み出す様設計されたストロングリアクティブカバー。
 R3Sがベースとなっていて、より高いRa値をもたらすことで、
 パフォーマンス寿命が延びていることに加え、表面加工のチューンアップが
 容易なことが、新たな特性としてもたらされています。
 
  
 以下 HS公式 GI-15解説動画
 
 
 
 
 2016年 新カバー
 “GI-16”(Game Improvement Technology in 2016)は“NRG”を凌ぐ
 ストーム最大の多孔性で非常に高いトラクションを持っている
 勉強不足のため詳細は後日・・・ 画像だけです><
 
  
 
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