(参考資料 日坂氏制作の2013JBCドリラーセミナー資料より)
カバーストックのテクスチャー
●リアクティブの3つの主な構成素材
イソシアート…基礎となるポリウレタンを造るのに用いられる化合物
ポリオール…基礎となるウレタンを造るための原料
プラスティザイザー…基礎のウレタンをリアクティブへ変化させるための可塑剤であり
オイルの浸透性を高めたり、表面のキメや硬度に影響を与える為の添加剤
プラスティザイザー(可塑剤)の役割
※ピュアウレタンをリアクティブに変えるために用いられる添加剤
※樹脂を軟化させて成形しやすくする
※オイルの吸着性を高め、表面硬度を設定する
※表面にミクロ単位のキメを造る(凹凸を造る)
※ボールリアクションの増加や減少
可塑剤とカバーストックの相互作用で、生じた微細穴
サフェーステクスチャー
※化学合成によって様々なミクロレベルの粒子形状を形成する
※カバーストックのパフォーマンス劣化の目詰まりや変質を抑えるために薬品に漬けることで
よりオイル吸収を高める製法
EBONITE傘下各社 ブランズウイック
storm社
固形添加物によるテクスチャー
※固形添加物をナノレベルまで細かくしたものを混入することで
化学合成によって作られた凹凸の途中にさらに細かい突起を生み出す製法
リサフェイスすると新しい山が出てくる、泡の集合体が山の元
R2 R3 R4 の違いは山の高さ
山が高いほど手前から動く
Xの特徴
同じ面積なら山が多い
山が多い分摩擦が多い
Sの特徴
直進性が非常に出やすい
Xよりバックエンドでは若干摩擦が強くなる
NRG
手前でのキャッチが強い
NRG-2
NRGよりキャッチが奥になる
NRG-3
NRG-2よりキャッチが奥になる
山の高さや形状でキャッチの違いがある。
Nano系・NRG系はトゲトゲ状でさらにチャッチが強い
NRG NRG-2 NRG-3 の違い
山の高さは同じだけど
山と山の幅(Rs)を広げ
パワーロスを抑えることで
手前の動きがスムーズになり
バックエンド側にパワーを
伝達するので
レーンキャッチの位置が
それぞれに違う
基本的に、手前のキャッチが強いボールは
バックエンドで失速する
SPECは、新規格に合うように給油率を下げたもので
NRGに限りなく近い素材
GI(ゲーム・インプルーブメント)素材は、
山の高さが大きい
表面加工をして1番摩擦をおこすことができる素材
手前のオイルが多く オイルの距離が長いレンコン向け
GI-17 ≒ GI-18 ≒ GI-20 ≒ GI-21
手前のキャッチは、ほぼ同じ
バックエンドでの摩擦のおこしやすい順
GI-21 > GI-20 > GI-18 > GI-17
EXO
NeX
TractionX7
TX-23
ReX
GI-21
GI-20
SPEC
GI-18
NRG Pro Solid
NRG-3
NGG-2
NRG
TX-16
R2S Nano
R4S
R3X
R3S
R2S Pro
R2X
NRG Smooth
R2S
R2S DEEP
Control XL Urethane
Control Urethane
Reactor
U15
Polyester
ここからはエボナイト社の工場のカバーストックの進化
1 大と小の差が多い
2大と小が同じで均一
3大を多くしたもの
4もっと大きくしたもの
5粒が大きくてそろってる
ナノ=100万分の1ミリメートル
こちらはTrackの数字シリーズのカバーストック
粒子の粒が大きいほどキャッチが強い
リアクション劣化(リアクティブ)
※オイル浸透の水路にオイルや汚れが溜り、リアクションが低下する
リアクション劣化(パーティクル)
※パーティクルの小片が抜け落ちることで、リアクション低下を起こす
オイル抜きの重要性
※オイルは際限な吸収されるわけではなく、ある一定の深層部(1〜2ミリ程度)まで到達したオイルは
それ以上吸収されなくなり、結果として摩擦力が低下する。
※飽和状態になったオイルを除去しないと新たにオイルを吸収する能力が無くなってしまう。
※飽和状態になると体温でも表面にオイルがにじみ出てくる。
摩擦を保持するもう1つの要素
Ra Rsについて
※ボール表面のミクロ粒子の凹凸に関しては製造上の規定があり
凹凸の深さの中間地点の数値がRa値(ラフネスアベレージ)で
山と山の距離、つまり密度を表してるのがRa値である。
※Ra値には製造上の規定があり、箱だしで50マイクロインチ以下の凹凸であることが
規定されてるが、Rs値には特に規定がない
【単位換算】
1ミクロン=1マイクロメートル(μm)=0.001ミリメートル
0.0254マイクロメートル=1マイクロインチ(μin)
50マイクロインチ=1.27マイクロメートル(ミクロン)
1マイクロメートル=39.370マイクロインチ
1ミリメートル=1000マイクロメートル=39370マイクロインチ
GB系カバー以前のTR系(トラクション0.48)を進化させたオイル吸着系カバーストック
までは滑らかな粒子により設置面を広げトラクションを増加させるテクノロジーでしたが
GBの後につく数字は、実は2時間あたりのオイル吸収量をグラム単位で表したもらしいです。
ザ・ワンはGB10.7だから2時間当たり10.7gのオイルを吸収する。
インフィニットワンはGB12.1だからザ・ワンよりもオイルに強く、
しかも表面加工が#500番のサンド加工ということで
非常に手前から噛む(曲がろうとする)ボールということになる。
XL1000までは、それぞれの単位の粒子での
トラクションをコントロールできるテクスチャー技術でしたが
最近はナノサイズから大きなポリマーの結束集合体を組み合わせ
より複雑に構成させることでバックエンドモーションを強めたり
パフォーマンス寿命を延ばしたり
これらの粒子の組み合わせで摩擦力調整の
新しいメカニズムテクノロジーへ進化しています
この技術により今までは物理的な摩擦(トラクション)から
(研磨パットで凹凸の溝をつくりスパイクタイヤみたく)
ケミカルフリクション(科学的な摩擦)へと進化を遂げました
ポリマー集合体をくっつけて表面の凹凸を作るので
カバーストックの種類がちがうと
4000アブラロンでもトラクションが違うとなるわけです
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