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2017今秋のトレンド
(取材&構成 日坂義人 ヒサカプロショップ代表)
(ボウリングマガジン2017年10月号からボールリアクション秋より引用抜粋)
2005年に、EBI(エボナイト・インターナショナル)社がThe ONEを開発、
同時にカバーストックのオイル吸収理論を発表して以来、各ボールメーカーは
『オイル吸収を高める=トラクションの強化』という方向でボール開発の
進化を遂げてきました。ハイパフォーマンスボールの性能はもちろん、
最新のトレンドを紹介していきます。
現在のハイパフォーマンスボールの性能の大半は、カバーストックのオイル吸収性能に
依存していると言っても過言ではありません。
そして、オイルの吸収性能は、カバー素材に可塑剤を加えていくことで高めていけるのですが、
添加できる可塑剤の量には限界があり、一定量を超えると、むしろ悪影響を及ぼすことが
分かってきました。すなわち、オイル吸収性能のみでカバーストックのトラクションを
追求することへの限界が見えてきたのです。
そこで、エボナイト社が新たに注目した要素がカバー素材の分子構造です。
分子同士のつながりをコントロールすることで、トラクションがコントロールできるという、
新たな発見で開発された新素材がGSV−1です。GBカバーが強い分子結合を持つことに対して、
より弱い分子結合をもつGSV−1は、オイルのなかでもフック性能が確保できる新素材で、
エボナイト社のカバーストック開発に進化が表れています。
ブランズウィックは、昨年から高反発という既成概念を覆す方向性で『カンタムシリーズ』を継続。
インナーシェルを含め、2層構造に変えたことでカバーストックの厚みが3.5倍となり、
吸油姓と吸油量を向上させ、ボールパフォーマンスの劣化速度を抑える方向を継承しています。
同時に、ケミカルフリクションには数年前から取り組み、
分子結合をコントロールするコンポジットカバーを
進化させたECS(エンハンスド・コンポザイト・セグメンテーション)カバーをベースに、
さまざまな添加物により、スキッド及びミッドレーンの摩擦力を調整することで、幅広いカバーストックのラインアップを
形成する製法が昨今の主力となっています。そのさまざまなカバーストックに対応するためにコアの微妙な調整が求められ、
多種類のコアが製造されています。
ストーム社は、コア開発の2本柱を主力とした新たな方向性の掲げています。
強いカバーストックの噛み過ぎを抑え、ミッドレーンまでいかに走らせるかという
パフォーマンスを求めてシリーズ化している
ドラムコアの『RAD-X』を改良、『RAD-E』コアを新開発し、
同コア搭載の世界パージョン『インテンス』の日本先行発売を今秋、予定しています。
一方、昨年『タイムレス』に搭載された3ピースコアの特性でもある、
強い転がり感とバックエンドの捻じれ感という、
相反するリアクションをコア性能に求めるコンセプトで、
高慣性と中慣性の2層コアを組み込んだ
『デュアル・ドライブ・ウエイトブロック』を
平行に、2本柱のラインアップが、今後の開発に反映される模様です。
追求するパフォーマンス特性はオイル上では適度なキャッチ感が得られ、
バックエンドではアグレッシブなモーションとフリップ感を求めていますが。
強いカバーほどレーンフロントからの摩擦力が働くため、バックエンドでは大人しい動きになる傾向があります。
強いカバーのエネルギーを、いかにピンそばまで持続させるか、というボールパフォーマンスを、
メーカー各社が開発のテーマとして求めている傾向が、今秋のトレンドとして表れています。
2017今春のトレンド
(取材&構成 日坂義人 ヒサカプロショップ代表)
(ボウリングマガジン2017年5月号からボールリアクション春より引用抜粋)
ボール開発のテクノロージーは年々、著しく向上してますが、
その中でもメーカー各社はそれぞれの個性を打ち出してきました。
カバーストックを、コアとも、かってないほどに多種多様なデザインが試みられ、
ユーザーの選択肢はさらに広がりつつあります。
同時に、表面加工の方法にも変化が起きてきました。
あなたに合った1個を見つけるために、今春のボール最新情報をお届けします。
個性を打ち出す各社メーカー
ボールメーカー各社の動向を見ると、米国、国内ともにボール開発に
それぞれの個性が表れてきています。
米国最大手のブランドを持つEBI(エボナイト・インターナショナル)は、
カーボンファイバーのような画期的なものはないものの、カバーストックを中心に、
オイルに強くスムーズに走り、バックエンドで大きく動くという到達不能の
ボールパフォーマンス完成系が開発目標のようです。
現実にはカバーストックのレベルが上がりすぎて、従来設計のコアではリアクションが
出にくくなるということがあり、エボナイトブランドではコア比重により
フックの段階で曲がりを出しが最も遅く、バックエンドで動きが出るマーベリックコア。
ハンマーブランドではハイマスバイアス、ハイフレアの従来型ガスマスクコアに対し、
強いカバーとマッチングしてもバックエンドでリアクションの出やすい、
対称型フォビアコアなどが新たに開発されています。
レジェンドスターブランドでは、対称、非対称両方のコア特性を持ちながら、
ΔRG値を抑えたデザインのアルティマコアなどで、現在のカバーにマッチする新たなコアを
開発することで、カバー性能が上がってもバックエンドリアクションが出る
パフォーマンスを求めた開発が進められています。
またEBIトーナメントブランドのハンマーでは、最近の需要でもあるウレタンボールも
開発されていて、ピュアウレタンにパール添加物を配合、バックエンドの動きを強化するなど、
ウレタン系の新たなパフォーマンスを求める動きも表れています。
同傘下のトラックは、昨今カバーストックのパフォーマンスが向上し、先に発売となった
「マーコウ」「キネティックエメラルド」など、オイル上の摩擦力を高めたカバーを使用した
にもかかわらず、ミッドレーンで噛みすぎるイメージはなく、バックエンドでのねじれ感があり、
強い入射角度が得れるようなデザイン特性が表れています。
コロンビアでは、ダブル・ハイパーショックテクノロジーが開発に目玉になっており、
カバーストックやインナーコア双方に衝撃吸収添加物を混入させることで、ピンヒット時の
衝撃を抑えるという、ピンヒットの領域を追及したデザインを昨今の製品に反映させています。
ストームでは昨年末開発されたタイムレスに搭載したデュアル・ドライブ・ウエイトブロックが
話題となっています。
強い転がり感とバックエンドのねじれ感という、相反するリアクションを同時にもたらすために、
高慣性コアと中慣性コアの2層を組み込むという新たな発想のもと、ニューコアが誕生しています。
パフォーマンス特性としては、オイル上では適度なキャッチ感が得られ、バックエンドでは
アグレッシブなモーションとフリップ感を求めてるいるのが、最近注目の開発状況です。
ストーム傘下でもある900グローバルも、ストームの流れを汲むパフォーマンス特性を感じ、
バックエンドのフィリップ感と大きい入射角が確保されているのがハイパフォーマンスレベルの
特徴ではないかと思われます。
モーティブの最大の特徴は、オイルの吸油速度です。メーカーによる開発コンセプトは高い摩擦力ですが、
レーン上の吸油速度の速さは各メーカーの中でトップクラスかと思います。
ボールラックに戻って来たボールを見ると、オイルトラックが判別できないほどの早い速度で
オイルを吸収されていることからも感じ取ることが出来ます。
その摩擦力はミッドレーンでのキャッチにも表れていて、バックエンドでは急激な変化はなく、
継続的な軌道を描くのも、モーティブのオイリー系ボールの特徴ともいえるでしょう。
ブランズウィックは昨秋、既成概念を覆す高反発という方向性で、カンタムシリーズを発表。
インナーシェルを含めた3層構造から2層構造に変えたことで、カバーストックの厚みが
3.5倍となり、吸油姓と吸油量を向上させ、ボールパフォーマンスの劣化速度を
抑えるアイデアを打ち出しています。
カバーストックの方向性
カバーストック開発の流れとしては、コンポジットカバーを進化させた
ECS(エンハンスド・コンポザイト・セグメンテーション)カバーをベースに、様々な添加物により
スキッド及びミッドレーンの摩擦力を調整することで、幅広いカバーストックのラインナップを
形成する製法が今日の主力となっています。
それに伴い、カバーストックに対応するために、多種多様のコアが製造されています。
国産ボールとしては,カバーストックの吸油量と吸油速度を早めことが開発の最重要課題となっているようです。
それの要素が、ミッドレーン上の安定感をもたらすことにつながるという意図があるからです。
さらに、ドライエリアの摩擦力を高めるためのRa値(表面粒子の凹凸)を上げることで、
バックエンドのアグレッシブなモーションを創出するなど、様々な添加剤が駆使されている
ようです。また国産ならではのアイデアとして、一般的なカバーの厚みである12〜14ミリを7ミリ
に下げ、インナーコアを大きく、かつ硬度を通常の64度から56度まで下げ、衝撃吸収を高めることを
新たな開発技法として取り組むなどが最近の動向です。
また国産ゆえにできることとして、カラーリングが新たな取り組みとして表れ始めています。
日本人特有のボールカラーの好みは、パフォーマンスの次にマーケティングとして重要です。
圧倒的にきれいなカラーリングは、ボール選択の優先順位として高いことは明らかで、
米国とのカラーの好みの違いを解消する試みが進行してます。
表面加工も多種多様に
もう1つのボウラーの関心が高まってきてることは、ボールの表面加工です。
当然パフォーマンス劣化の原因として、レーン表面の摩擦により、当初のボール表面粒子に
変化が起き、箱出しのパフォーマンスを維持できなくなります。
つまりタイヤがすり減るような現象が起き、摩擦力が明らかに低下してきます。
約40ゲーム経過後にはRaの数値が半減するという、メーカーの実験データーも出ていて、
現在のカバーストックの性質では摩耗を防ぐことは出来ないのです。
しかしながら表面はマイクロテクスチャー(ミクロ粒子)のため、1度表面をリサーフェイスすれば、
パフォーマンスを復活させることが可能で、再研磨することによって、下から新たな表面粒子が出てくるのです。
つまり、表面の「皮を剥ぐ」という表現だと分かりやすいかもしれません。
では、なぜメーカーによって様々なのか、という疑問が生じるかと思います。
それはカバーストックによって性質が異なるため、性質に合わせた表面加工がメーカーによって研究され、
デザインしたパフォーマンスに合わせた独自の研磨方法が確立されてるからなのです。
だからあんなに多種多様な仕上げ方法があるのです。
同然、使用するレーンコンディションに合うとは限りません。つまりボックスポリッシュ(箱出し仕上げ)は
初期の状態で、コンディションに合わせた表面加工は、ユーザーが再加工をすることでコンディションに
マッチさせることであることも、競技レベルでは今や当然のテクニックであることを理解しましょう。
そこで代表的な研磨方法をご紹介します。
●アブラロンパッド/マイクロパッド
ボールメーカーの表面加工で、最もポピュラーな方法として普及している研磨材です(写真@)、
リサーフェイスのベースとして粗削りする180番から仕上げの4000番まで数段階があり、
箱出しのメーカー工程に合わせた仕上げを段階的に、ボールスピナーで1工程約15秒、
リサーフェイシングマシーンで30秒程度研磨することで、箱出しに近いリアクションを復元させることが出来ます。
●LSS/LSP
モーティブ社独自の表面仕上げの表示として、LSS(レーザースキャン・サンディング)と
LSP(レーザースキャン・ポリッシュ)があり、どのような研磨なのかが疑問を持たれてる方も
あろうかと思います。これは研磨の測定システムで、アブラロンパッドなどで研磨した表面を、
レーザースキャンで測定した数値が正確を記してるというメーカーの主張だと思われます。
実際の研磨工程を換算した表がメーカーから発表されていますので、表Aをご参照ください。
●NEAT
900グローバルが採用している新たな研磨手法で、NEAT(自然工学研磨技術)は
ボールの総合的な曲がり度合いを判断するために精密な研磨パットとして採用された経緯もあり。
マイクロスコープ(写真B)の比較では、通常の研磨パットに比べ接地面が多く、
均一に表面に当たることで、仕上げがきれいに見る特性と均質な研磨が可能になる特性をもたらします。
4種類のパッド(写真A)があり、耐久性も、メーカーの比較では50%アップするという結果も出ていて、
今後さらに普及する可能性が感じられます。
以上が、今春の各メーカーの開発現況です。
2016今秋のトレンド
(ボウリングマガジン2016年10月号からボールリアクション秋より引用抜粋)
メンテナンスマシンの進化により、ボウラーは多種多様なコンディションへの対応を
求められるようになってきました。当然、ボールの開発もそれに合わせて進められています。
リアクションに最もテクノロジーが導入されてきました。時を同じくして、
米国ではボールの表面加工を禁止する動きがあり、日本にも影響が及びそうです。
今秋のトレンドとボールの動向をチェックしましょう
カバーストックの研究はレーンの変化も含め多様に
米国ボールメーカーの昨今の開発動向が気になるところですが、ボールリアクションに
最も影響を及ぼすカバーストックの研究に、各社しのぎを削っているのが現状のようです。
オイル吸着に着目したEBI(エボナイトインターナショナル)及び、それに追随した
グループ各社に関しては、現在もオイル吸着に関しては、研究が進められており。
多孔性の表面や管、吸収の仕方が科学的に変化することによって起きる、ボールモーション
への影響をコントロールするテストを続けています。
ボール表面のオイルを瞬時にフレッシュすることは重要ですが、カバーの研究に関しては
オイルの吸着のみではないと、少しニュアンスが変化してきました。
レーン表面素材との反応や、コンディショナーオイルに対する反応など、変化するレーン状況にカバーが
どう対応するのかが、研究の最大のテーマとなっているようです。
つまり、オイル吸着=摩擦という考えは、正解ではあるが、完璧な答えではない、というのが現状の回答で、
たとえば、カーボンファイバーの添加によるトラクションの変化がその例だということです。
カバーストックに含まれるエラストマー(弾性力のある物質)や、ポリマー重合体
(結合して鎖状や網状になる)の化合物を科学的にコントロールすることで、
カバーストックのスキッド、フック、ロールをコントロールする時代へと向かっているようです。
この製法は、ブランズウィック社における「コンポジットカバー」なども同様だと言えるでしょう。
前回も少し触れましたが、EBIグループのハンマー社は、髪の毛よりはるかに細い
カーボンファイバー繊維が結束することで物質の強度がアップするメカニズムを応用、
インナーコアにカーボンファイバーを混入することで、衝撃吸収や軽量化によるコアの比重増などを図る
テクノロジーを開発しています。
CFI(カーボンファイバー内臓)テクノロジーはインナーコアにとどまらず、カバーストックに配合することで、
従来のパーティクル素材の役割も求めています。従来のパーティクル素材のように変質することもなく、劣化や
表面加工で簡単に表面から外れてしまうことがないカーボンファイバーの特性により、
パフォーマンス寿命向上にも影響を及ぼしているようです。
(参考画像 ハンマー社 Tough Tech Carbon Fiber cover )
(参考画像 カーボンファイバー顕微鏡写真)
また、コアの新たな研究も同時進行しています。形状の異なるコアを合わせることによって、
計算上、仮想の2つのコアの中心軸とボールの回転軸が、それぞれに作用する力を合わせて
1つのコアを形成するという発想です。このことはRGやΔRGの数値のみならず、コアの比重を
どのように配置するかによって、ポテンシャルを高める作用を生み出しています。
「曲がり」の概念が変わってきた
ストーム社では、曲がりに対する表現が変化してきたようです。曲がるといわれてきたボールは、
これまではオイルゾーンでキャッチ感の強いボールをイメージされてきたと思いますが、
最近はオイル上のキヤッチ感は適度で、むしろバックエンドでのアグレッシブな動きのあるボールが
「曲がる」という位置づけになってきたのです。
それに伴って、日本国内で人気のある、フリップ感の強いモーションのボールが見直され、
OEM(日本・アジア向け)ボールが世界バージョンとして製造され始めています。
このように、フリップ感の強い曲がり形状を求めるため、米国においてもリスタイの人気が高まり、
とくにアマチュア女子の間に広まっているのが最近の傾向です
また、スポーツコンディションの普及により、軌道の安定を求める需要が高まり、アジア地域で開催される
大会の影響もあって。ピュアウレタンボールの普及が目覚ましいのも最近のトレンドでしょう。
メンテナンスマシンの進化により、様々なコンディションへの対応が迫られて、またレーン素材やボウラーのスタイルなどが
多様化した条件の中で、ボールは「曲がり」をベースに、常に研究が続けられています。
米国では表面加工が禁止される流れに
最近のニュースとして注目を集めてるのは、USBC(米国ボウリング協会)がこのほど大学ボウリングの
ルールを改正し、ボールの表面加工の禁止を打ち出したきたことです。
研磨剤だけはなく、クリーナーも含め、従来は可能だった試合前の練習ボール中も禁止、という裁定への波紋が広がっています。
常識の範囲を超えた番手で表面加工されたボールを投球してオイルパターンに溝を作るという、
レーンカービング(レーンコンディションの自分たちが有利になるように変更する行為)によって、レーンコンディションが
練習投球の時点で崩壊しているということなのです。
練習ボール1投ごとに、コーチの手に渡り、さらに表面を加工するいうプロセスを繰り返し
練習ボール終了まで継続的におこなわれ、肉眼で分かるほどのオイルが剥ぎ取られた跡がいくつも残るような状況で、
せっかく用意された試合環境が破壊されていることに対し、USBCが検証したのです。
レーンカービングがおこなわれたボックスと、そうでないボックスとではまったく違うパターンとなり、
試合の公平性が失われる、というのがルール変更の最大の理由です。
日本でも、チーム戦の戦略として、ここまで極端ではないにせよ、レーンカービングはおこなわれていましたし、
PBAのTV決勝でも、対戦相手のラインを潰す戦術は当たり前におこなわれているという話を聞いていました。
日本ではまだルール化するような議論には至ってませんが、困るのはボールの持ち込み数に制限のある場合です。
持ち込むボールの良し悪しがゲームに影響を及ぼし、表面をチューンアップできなければ、最初からチャンスが失われる可能性もあるでしょう。
日本の現状では、練習ボール終了までの間はルール上、問題ありません。とはいえ、選手自ら研磨剤(アブラロンパッド/マイクロパッド)などを
常備して表面加工をすることが徐々に広まりつつあるので、普段からチューンアップのトレーニングしておくとよいでしょう
2016今春のトレンド
(ボウリングマガジン2016年5月号からボールリアクション春より引用抜粋)
近年はオイルに強く、しかもバックエンドでアグレッシブなボールが
高い人気を得てきました。それに対し、レーンメンテナンスマシーンの進化とともに、
バックエンドの動きは、ますますと激しくなってきています。
ハイブリッドボールへのニーズが高まってきた背景には、そんな事情がありそうです。
今春のトレンド
日本では、ハイブリッドの需要が増加
昨今、米国ボールメーカー共通のテーマとして現れるボールデザインの傾向は、
オイルに強いカバーでありながら、バックエンドでアグレッシブなモーションを求める、
ということではないかと思われます。
従来、オイルに強いカバー素材は、動きもおとなしくなるのが一般的でした。
バックエンドのアグレッシブなモーションは、コアの動力の影響が大きく、
結果としてΔRGを最大限(0.06)に近づけるという手法が一般的でした。
日米では、パワーの差が歴然としていて、米国内ではスピードや回転パワーを優先するがゆえに、
バックエンドで暴れすぎるボールパフォーマンスは扱いづらいという評価で、人気が出ませんでした。
いわゆるカタログボール(世界発売)に、ストロングアーク系の起動が多い理由はそこにあったようです。
一方で、パワー不足の日本人にとっては、カバーの摩擦力が強く、フレアポテンシャルの大きい
カタログボールは先の動きがおとなしくなり、入射角度十分に確保できないため、不人気でした。
そこで日本向け(OEM)では、オイルにそこそこ強く、なおかつ動きの出る、切れるボールの開発が求められ、
フロントでの走りが得られると同時に、オイルにも適度に強く、さらにバックエンドでの角度も出る、
というパフォーマンスが求められてきました。
ところが、レーンメンテナンスマシーンの進化とともに、バックエンドでのクリーニングが完璧にドライになると、
よりバックエンドモーションが激しさを増す傾向が表れてきました、
競技用のスポーツコンディションは、オイル分布がフラットで、手前のオイルは厚い傾向にあり、
摩擦力の高いカバーを必要としますが、ハウスコンディション(レクレーション)は手前のオイルが
さほど厚くないために、摩擦力は適度に高ければ対応できるのです。
したがって、スポーツコンディションに比べ、はるかに需要が高いハウスコンディションマーケットには、
ソリッドとパールをブレンドしたハイブリッドが開発される傾向が強まっているのです。
●ストーム社のトレンド
ストーム社も、カタログボールは相変わらずカバーの摩擦力をより高め、フレアポテンシャルの大きいコアを
組み合わせる傾向にありますが、OEMボールはあえてやや弱めのカバーに、ハイパフォーマンスボールに採用されてる
フレアポテンシャルの高いコアを組み合わせ、レーンヘッドの薄めのオイルにも対応しつつも、
バックエンドモーションも強める、というコンセプトのデザインが日本では高評価を得ています。
そのことを追従するかのように、米国内でも日本人気のOEMボールをカタログボールとして
今春発売するいう情報もあり、日米ともにバックエンドの動きを求める、というテーマは普遍的は傾向のようです。
●エボナイト社のトレンド
米国最大手のブランドを持つエボナイト社では、GBカバーを復活させ、新たにGB13.3やGB12.0カバーを開発しています。
エボナイトでは、相変わらずオイル吸着の度合いが摩擦力に関与するというコンセプトで、
吸着の強さをカバーにもたらし、さらにパールの種類や量の調整によってヘビーオイルからミディアムドライまでの
ラインナップをカバーする手法が昨今の傾向です。
ハンマー社は、カーボンファイバーを使用したテクノロジーを推し進めていて、
インナーシェルにカーボンファイバーを使用することで、
耐久性や衝撃吸収によるピンアクションの向上を掲げています。
またインナーシェルを軽量化し、コアを高比重にすることで、パフォーマンスの向上を図るコンセプトも盛り込まれ、
最新のカバーにもカーボンファイバーを添加する手法を採用したことが新たな改良点として注目されています。
具体的には、カーボンファイバーの変質しにくい特性を生かすことで「表面の耐久性を高める」
「カーボンファイバーがスタッドの役割となりトラクションが向上する」
「投球による摩耗がしにくい」「表明加工による変質がない」など、
パフォーマンスの劣化を抑える効果が新たに加わっています。
●ブランズウィック社のトレンド
ブランズウィック社の進化として注目されてるいるのが、ECS(エンハンド・コンポザイド・セグメンテーション)カバーの開発です。
ウレタンの構造主成分を変えることで、パフォーマンス寿命を長く保持し、フリクションレスポンス(摩擦反応)を向上させるという、
新たな技術革新に注目が集まっています。
素材となるウレタンは、非常に微細な分子が連なる高分子化合物で構成されています。
「ソフトセグメント」と呼ばれる長い鎖のようなもので、この鎖の長さの長短の組み合わせにより
「硬度」「オイル吸収」「フリクション」を調整しています。
ボールのパフォーマンスを最大化するために、ウレタンの最終生成物のハードおよび
ソフトセグメント比率と配分の双方を最適化する方法が、ブランズウィック社の開発した
最新カバーストックテクノロジーで、ECSカバーストックに反映されてるいるとのことです。
2015今秋のトレンド
(ボウリングマガジン2015年10月号からボールリアクション秋より引用抜粋)
カバーストック開発に注目
米国ボールメーカーに大きな動きはないものの、
各社カバーストックの開発には特徴が現れています。
ミクロ粒子のカバーストック開発の先駆者でもあるエボナイト社は近年、
ボールモーション、ピンアクションの向上、カバーストックの耐久性アップ、
持続的な曲がりというキーワードを指針に開発を進めてきました。
特にカバーストックの耐久性を高めるために、新たな添加物が開発されていて、
今シーズンのボール製造に反映されているようです。
昨シーズンからは、さらに「レーンコンディションの変化に対しても、
より長く使い続けられるボール」という新たなコンセプトを掲げ、
ゲームが進んでも立ち位置、ライン取りを変える必要性を最小限に抑えることで、
ボウラーの優位性を高めるという考えが、ボール開発に反映されています。
気になるのは、従来のカバーストックの強さの序列に変化が起きていることです。
従来のソリッド→ハイブリッド→パールという強さの序列ではなく、
パールでも走りだけではなく、キャッチが強い素材も出現しています。
マイクロ写真はオイルの吸油性を高めたGBカバーの変遷で、
GB10.7 GB12.0 GB13.3とミクロ粒子の溝の深さの違いが分かります。
昨今のカバーは耐久性の向上と同様、添加物の開発により、
パール配合カバーでも摩擦力が発揮される新たな特性を生み出している、
という方向性がうかがえます。
もちろん、コアの存在はボールパフォーマンスを語る上で無視できるものではなく、
転がりの要素とバックエンドのフリップという、
相反する要素を同時にもたらす性能を新たなコア開発のコンセプトにしています。
コア開発ではエボナイト傘下のハンマーもこだわりを持っており、
カーボンファイバー素材を採用することで、コアの衝撃吸収力を追及しています。
さらにエボナイトは、メンテナンスの重要性を提言しています。
適切なメンテナンスが、ボールのパフォーマンス寿命を確保するためには
避けて通れないことを提唱し、定期的なオイル除去と
日常的にはミクロ粒子繊維のマイクロファイバータオル使用の必要性をうたっています。
ブランズウィックとDV8は20数年ぶりにフルモデルチェンジした
ニューカバーストックに注目が集まっています。
ニューカバー「コンポジット」は、表面を研磨して削っても、
新しいソフト膜を生成するというテクノロジーのようです。
それは、剥いても、剥いても新鮮な玉ねぎが出てくる様子と似ていますが、
この新素材をベースに、今後さらなるボール開発の兆しが現れ始めています。
また増加するシニア層やファミリー層にも資本投入をして、
トーナメントとは異なるコンセプトで、次世代のアイテムとしての
ニューボール開発が水面下でおこなわれているようです。
昨年から国内で代理店が成立したラディカルは、もともとモーリッチ社の
モー・ピネル氏が参画して立ち上げたメーカーということもあり、
コアを中心に開発している傾向が強く表れています。
様々なレイアウトによりコアが削られる度合いを最大限抑えることで、
パフォーマンスを100%引き出す設計思想が盛り込まれているのが、
他社にないラディカル独自のコンセプトです。
ストーム社として今秋話題になっているのが、新たに開発された
G・I(Game Improvement)−15カバーストックです。
ナノカバーの後継として今秋世界バージョンボール「ロック」に搭載されます。
R3Sがベースとなっていて、より高いRa値をもたらすことで、
パフォーマンス寿命が延びていることに加え、表面加工のチューンアップが
容易なことが、新たな特性としてもたらされています。
同時にドラムコアが改良され、12ポンドから16ポンドまで形状が変わらない、
ストーム社独自の技術革新が注目されます。
以上が、今秋にかけての米国3大メーカーの新たな動きではないかと思われます。
速乾プラグ液の効果
ドリルが合わなくなってきたり、指穴やピッチ、スパンの変更をするは、
ボウラーならほとんどの方が体験されていることでしょう。
そこで今回ご紹介したいのは、速乾性のプラグ液(米国製)です。
日本には米国数社から製品が輸入されていますが、なんといっても従来のプラグ液と
差のない仕上がりで、しかもわずか30分足らずで硬化してドリルできる優れものが
開発されています。
メーカーによっては多少カラーリングに難があるものもありますが、
カラーによってほとんど従来のプラグ液同様の仕上がりが可能なものもあります。
もちろん、多少のコストの違いがあるので、急がなければ従来のタイプで問題ありませんが、
ピッチ(指穴の角度)の変更やスパンの変更などは、できれば時間をかけたくないところでしょう。
翌日の試合に合わせたいというニーズには十分対応できる画期的なものです。
従来ですと、最大限に急いでも、ドリルは翌日までできませんでした。
過去にも何度か速乾性のものが製品化されましたが、多くの問題があり、普及しませんでした。
新開発の速乾プラグ液は、修理時間の短縮で多くのボウラーの救いになることは間違いありません。
すべてのプロショップで取り扱っているとは限りませんので、みなさん行きつけのプロショップに
一度問い合わせてみてはいかがでしょう。
2015今春のトレンド
(ボウリングマガジン2015年5月号からボールリアクション春より引用抜粋)
ブランド化でオリジナリティをアピール
市場の動向を見ると、メーカー各社のブランド化により、個性を前面に出す傾向が表れています。
しかしながら、多くのブランドは米国ボールメーカーの代表的3社(エボナイト、ストーム、ブランズウィック)
に統合されているため、大別すれば競合3社が開発競争にしのぎを削っているように感じられます。
したがって、それぞれメーカー内でブランド化をアピールすることで、オリジナリティを追求しているようです。
そこで各メーカーの動向を取材してみました。
●エボナイト
最大のブランドを抱えるエボナイト社は、ケミカル分野に優れていて、多種多様なケミカルフリクション
カバーの開発により、他社との差別化を図っています。特にオイル上の摩擦力の高い素材を開発している
こともあり、全般的にはオイリーコンディションヘの対応ボールに様々な特性をもたらしています。
自社のエボナイトブランドは、幅広いボウラーヘの対応をコンセプトに、レクリエーション指向から
競技者までを対象としたアイテムをカバーしているのに対して、傘下ブランドのハンマーはトーナメント
プレーヤーへの対応を意図したアイテムを中心に開発しています。それ以外の傘下でもあるコロンビア300、
トラック、日本向けブランドのナチュラルエネミーズなどもエボナイト特有のオイル吸着を高めた高摩擦
カバーストックの領域で、優れた評価があります。
●ストーム
ストーム社は今や世界的な人気となっていて、自社ブランドのストーム、ロトグリップの他に900
グローバルを新たに傘下へ収めています。
カバーストックの開発では、NRG(ナノ添加物)をベースに、添加物の量や種類の調整によるケミカル
(化学的)フリクションを創出する方向です。注目すべきはオイル上の摩擦の調整で、ソリッド系カバーでも
噛みすぎないパフォーマンスの開発を目指し、オイルにも強く、レーンフロント部でのスムーズな走り感を
求めるという、相反するパフォーマンスの創出を開発の焦点にしているようです。
グループ傘下となった900グローバル社は生産拠点が多くなり、パフォーマンスのカテゴリーが多く
持てるようになっています。やはりカバーストックの恩恵はパフォーマンスを著しく変化させ、今や2大競合
メーカーに迫る勢いになったと言っでもいいでしょう。
●ブランズウィック
歴史あるブランズウィック社も他社と同様にブランドを分け、従来のブランズウィックとDV8の
2ブランドを立ち上げています。ボールカラーに特徴を持たせ、トラディショナルなイメージのブランズ
ウィックは従来型のシックなカラーを基本としているのに対し、DV8はコズミック仕様の派手な
コントラストを前面に打ち出した配色で、ブラックライトに反応するための蛍光塗料を添加しています。
パフォーマンスではブランズウィックブランドがドライレーン移行時のバックエンドモーションの安定感を
求めているのに対し、DV8はアグレッシブなリアクションをデザインの特徴としていて、カバーストックの
強さを数値で表していることで、選択を容易にしています。
ブランズウィック傘下では、モーリッチ社が消滅し、ラジカルが新たなブランドとして非対称コアボールを
中心に開発を進めています。今シーズンから日本ではサンブリッジが代理店となり、ラジカルブランドを
リリースする運びとなっています。
注目すべきはモーティブ社で、新鋭ながら急速に人気が高まっています。理由はカバーストックの開発が進み、
明らかにパフォーマンスが向上したことをメーカーはアピールしています。以前は40ゲーム消化を境に
パフォーマンスが低下していたそうですが、ケミカルベースが向上したことで、パフォーマンスが
劣化しにくくなったことが評価を高めた最大の理由とのことでした。
パフォーマンス劣化の原因に注目
ボールのパフォーマンス劣化の原因は以前にも採り上げたことがありますが、昨今はその認識に変化が
現れてきたようです。
パフォーマンスが劣化する最大の要因は、オイル吸着であると、言われ続けてきました。では、オイルは
どの程度の深度まで吸収されるのでしょうか。あるメーカーの解答によると「カバーストックはまさに
スポンジと同様である」。スポンジ状だから、表面のカバーストック全体にオイルは吸収される、ということ
なのです。
スポンジは最初のうちこそ全体に弾力があり、レーンに対するキャッチやピンとの衝撃を吸収しやすい
のですが、オイルを吸収することで次第に硬化して弾力が失われていき、パフォーマンスの劣化が起きる、
というメカニズムです。その証拠に、ニューボールをオイルにどっぷりと浸してから投球しても、
パフォーマンスの変化はほとんどない、というのです。
かつてはボール表面のわずか数ミリの溝にオイルや汚れが溜まり、それ以上吸収できなくなると劣化が
起きると言われてきました。したがってオイルを吐き出すために、オイル抜きが必要という見解でした。
ところが劣化の原因はオイルそのものではなく、オイル吸収によって表面のスポンジの弾力が失われる
ためであり、そのためにオイルを除去する必要がある、ということなのです。この辺の見解が少し変わって
きたように思われます。
別のメーカーは、劣化の原因はボール表面の摩耗が直接の原因であり、オイル吸収の度合いが劣化の
直接の原因ではない、という見解を出しています。表面の摩耗はレーンとの接触によって起こり、その結果、
表面のRa値(凹凸)が変化してくることが原因である、とのことです。そのため、ある程度のゲームを
消化した段階で劣化を感じたら、表面を一皮剥いて新たな面を出すことで、凹凸を復活させることが有効だと
提言しています。
総括すると、両方とも間違いなくパフォーマンス劣化の原因に直結する要素であると思われます。
したがって、メンテナンスによって劣化の進行を抑えることが重要である、という結論に達しました。
ペーパー状のクリーナーにも注目
液だれをしないクリーナーとして、フォーミング(泡)状のクリーナーが人気ですが、新たにウェット
ペーパータイプのクリーナーヘの人気も高まっています。使用後の処理が簡単なことと、汚れを落とす効果も
十分満たしていることがその理由かと思われます。またオイルを浮き出させる効果として、オイルリムーバーが
有効ですが、注目すべきは「アドレナリンワイプ」です。ウエットペーパータイプのリムーバーで、
拭き取るだけで科学的に多孔性表面の汚れを除去するだけではなく、オイル吸収率を高め、摩擦力を復活させる
効果があります。ボールスピナーを使う方法もあれば、手で拭き取るだけでも十分効果が得られます。
ボールのパフォーマンス劣化を防ぐことは、ボールのコストパフォーマンスを維持する上でもますます
欠かせない作業となってきているようです。
ボールモーションの真実
ボールメーカーからの情報も含め、昨今は様々なボールモーションに関する説が伝えられています。
たとえば「ボールリアクションの調整はレイアウトによって自在にできる」とか「ボールモーションの調整は
表面加工の影響が最も大きい」など。米国ブランズウィック社が開発したスローボット(自動投球マシーン)
とCATS(Computer Aided Tracking System」により検証された、ボールモーションにおける影響力の
優先順位を確認し、ボールリアクションに与える要素の度合いを理解していただきたいと思います。
ボールリアクションに与える要素の度合い
表Aに示したように、ボールリアクションに与える要素の70%が、表面素材と表面加工で決まります。
つまり物理的な力に置き換えると、摩擦力が最も影響を及ぼしているのです。
したがって、ボールリアクションを求める際には、表面素材の摩擦力の強さを選択することが最も重要です。
次に影響を及ぼすのは、コアやウエイトブロックのデザインです。これはボールリアクションの15〜20%
に影響を与えます。コアデザインはRG(回転半径)に影響を与えますが、これはコアそのものではなく、
コアの比重も含め、ボール全体の慣性モーメント(RG)に関与して、ボールの転がりに影響を与えて
いるのです。RGの数値が低ければ、より手前から転がりやすくなり、高ければ転がりにくい要素を
もたらします。
その次に影響があるのは、ボールが回転することによって起きるダイナミックバランス(動的バランス)
の調整です。ボールリアクションヘの影響は10〜15%関与してきます。まさしくこれがボールのレイアウトの
ことで、コアの向きを回転軸にどのように設定するか(コア・アクシスアングル)によって、ボールに起こる
回転軸のぐらつきを調整し、フレア幅を生み出しているのです。フレアが大きくなるほど、1回転するごとに、
ボールの新たな表面がレーンに接してレーンからの摩擦を受けるため、キャッチを強めることになります。
リアクションに影響をもたらす要素としては、その他にバランスホールとマスバイアスがあります。
ただし、これらはボールリアクション全体の5%程度です。バランスホールは位置と孔の大きさによって
フレア幅の増減に影響を与え、マスバイアスはレイアウトによってブレイクポイントを微調整できます。
そして、かつてはボールリアクションに最大の影響を与える要素として信じられていたオフセット
(スタティックバランスの調整)は、わずか1ミリ足らずのボールの重心位置をバランサーで測定していた
ことに気づき、今やほとんど影響を及ぼさないことが証明されています。
ボールモーションの優先順位
ここからは、米国ブランズウィック社がスローボットとCATS(Computer Aided Tracking System)で
実験したデータに基づき、ボールモーションに何が最も影響を与えているのか、優先順位の高い順に
検証していきたいと思います。
ボールの表面素材1
ポリエステルvsパーティクル
ボールのカバーストックで、摩擦力が低いポリエステルは、一般的にスペアボールとしての需要が多いと
理解されています。一方で、摩擦力が高い素材としては、リアクティブに固形添加物を混入した
パーティクル素材が代表的です。では、実際に板目にして何枚の違いがあるのでしょうか。実験では、
約27枚の違いが出ています。これはボールの表面素材の選択が、ボールモーションを決定づける最大の
要素であることの証明です。
ボールの表面素材2
低摩擦りアクティブvs高摩擦リアクティブ
リアクティブ素材は、今やカバーストックのほとんどを支配しています。しかし、昨今の
リアクティブ素材は多種多様で、化学合成によってボール表面の凹凸や弾力性を形成し、その結果、
表面の摩擦力を調整しています。そこで、摩擦力が低めのリアクティブ素材と、高摩擦リアクティブでは
板目で何枚になるのかを実験したところ、約20枚の違いがあることが分かりました。つまり、ボールの
ラインアップは、カバーストックの摩擦力の強さをどのように組み合わせるかが基本となるのです。
ボール表面のサンディング&ポリッシュ
ボール表面のサンディングやポリッシュで曲がりの調整ができる、と思われている方も多いと思います。
曲がりを増やしたければサンディング、減らしたければポリッシュと一般的には思われがちですが、
昨今のボール表面はミクロ粒子の泡の塊なので、物理的な摩擦よりも、化学合成による摩擦力が
上回ります。これは、車のタイヤのメカニズムに似ているところがあります。したがってサンディングや
ポリッシュは、表面をさらに粗くすることでスキッド(滑り)を抑えたり、ポリッシュすることで
スキッドを長くする程度で、曲がり幅を変える効果は表面素材には及びません。試しに、ポリエステル
ボールをサンディングしてみてください。さほど曲かりが大きくはならないことが分かるでしょう。
それでも、リアクティブカバーの実験では、400番サンディングとポリッシュでは、板目で約10枚の
違いが現れています。
ピン位置
(C/A=コア・アクシスアングル=ピン〜PAPの距離)
ボウラー個々の回転軸(PAP)にコアの向き(ピン位置)をどのように設定するかにより、
トラックフレアの増減を調整することができます。もちろん、ボールには個々に
ΔRG=フレアポテンシャル(回転半径差)が設定されていますので、その範囲を超えることは
できませんが、45度の向きに設定すると最大のフレアを起こすことが可能で、0度、または90度に
近づくほど、フレアを抑える効果があります。
フレアの大きさがボールの曲かり幅に影響を及ぼすと勘違いされている向きもありますが、
フレアそのものではなく、フレアが大きいほど摩擦力を多く受けるだけのことです。
ポリエステルボールに最大のフレアを起こしたとしても、摩擦力が小さいために曲がりません。
フレアが直接、曲がりに関与しているわけではないのです。実験では、最小トラックフレアと
最大トラックフレアで約8枚の差が現れています。
マスバイアスの影響度
マスバイアスは、軸移動に関与する要素として考えられています。ボウラーのPAPとマスバイアスポイント
=PSA(プリファード・スピン・アクシス)までの距離を角度で表していて、その範囲は90度から0度で
表されています。PSA〜PAP間を90度に設定するとブレイクポイントが奥になり、0度に近くなると
手前になるのが、マスバイアスによるリアクション調整です。板目に置き換えると、約5枚の差となっています。
RGの比較
RGは(Radius of Gyration)の略で、回転半径と訳される物理概念です。慣性モーメント
の大きさを長さの単位に置き換えたもので、ボールのスペックとして重要な要素の一つです。RGの数値が
小さけれは低慣性になり、手前からの転がりが早めに起きます。反対に数値が大きければ高慣性になり、
回転が遅れる要素をもたらします。
したがってボール設計上の規制もあり、コアデザインに関わる要素としては重要です。実験では約4枚の差と、
ボール軌道の形状に変化が起きることが分かっています。
エキストラホール(バランスホール)の要素
昨今の非対称コアによるマスバイアスを利用したレイアウトの前提では、ルールに収めるために
バランスホールが必要になるケースが少なからず発生します。そのためのバランス調整は必要不可欠ですが、
それとは別に、バランスホールはマイナスのウエイトブロックとして考えられ、フレアの増減を調整することが
できます。
図の@Aの位置にバランスホールを開けるとフレアは小さくなり、BCの位置に開けるとフレアは
大きくなります。これは動的バランス(ダイナミックバランス)の変化で、開けた位置とは反対の鉛直方向に
遠心力をもたらす効果が働きます。バランスホールを開けていない状態に対して、プラスマイナス約4枚の
差が現れています。
ピンアップとピンダウンの比較
フィンガーホールの上部にピンをレイアウトさせることを「ピンアップ」、下部にレイアウトすることを
「ピンダウン」と表現します。一般的には、ピンアップはややアグレッシブなリアクションが感じられ、
ピンダウンは軌道が滑らかに感じる、というのが求められている効果です。
投球者本人が感じることかできる程度で、見た目ではほとんど差を感じることはできません。ピンアップと
ピンダウンでは、ドリル後のΔRG(フレアポテンシャル)に差が出るために感じられる現象で、板目の差は
せいぜい1〜2枚程度です。微妙な差ではありますが、その差を感じることかできるタイプにとっては、
有意義な手法になります。
トップウエイトとボトムウエイト
現代のように、ボールにコアデザインが施される以前は、パンケーキ型のウエイトブロックがボール上部に
埋め込まれていました。そのウエイトブロックのもたらす遠心力効果により、フレアを起こす原動力が
トップウエイトに比例していたことから「トップウエイトは重い方が曲がる」と考えられていた時代が
ありました。
やがで昨今のようなコアが組み込まれると、フレアを起こす原動力がトップウエイトとは異質の要素
(動的バランス)であることが分かりました。トップでもボトムでも、それは単なる重心のズレにすきず、
その重心も、ボールの幾何学的中心からわずか1ミリ程度しか離れていないことで、ルール上関与する
数値でしかないことが証明されました。
今ではボールリアクションにほとんど効果がないことが理解されています。
サイドウエイト(ポジティブvsネガティブ)
サイドウエイトも同様で、ポジティブでもネガティブでもトップウエイトと何ら変わらず、
バランサー(ドゥドゥスケール)での測定値として、単に重心のズレの方向を表しているだけです。
したがってボールリアクションにはほとんど影響を及ぼしません。
これらの実験結果から、ボールリアクションを圧倒的に支配しているのは摩擦力であることが
理解できたと思います。摩擦力がボール選択のベースにあり、レイアウトはその微調整だと考える
べきでしょう。
しかしなから、その摩擦力はベールに包まれていて、ボールメーカーにはなかなか真実を明かして
もらえません。
優れたドリラーは、ボールメーカーの表面素材の違いを理解しています。皆さんは、自分の投球を
しっかり観察してもらえる、信頼できるドリラーと相談して、ラインアップを作ることが
失敗の少ないボール選びになります。
2014年 今秋のトレンド
ボウリングマガジン2014年10月号 2014ボールリアクション秋より抜粋引用
ボールのさらなるパフォーマンス向上を追及し、激しい開発競争を繰り広げているメーカー各社。
そこで今、究極のテーマとなってきているのが「軌道の持続力」です。
この課題を克服すべく、最新テクノロジーを駆使してカバーストックや
コアの研究・開発に臨む各メーカーの状況を探り、今秋の注目ボール情報をお伝えします。
今秋のトレンド
【軌道の持続力とコアの均質化】
昨今、米国ボールメーカー間の開発競争において最も重視されている課題が、
「終わらない曲がり」という言葉で表されている「軌道の持続力」という
ボールパフォーマンスの追求ではないかと思います。
これはカバーストックのトラクション(摩擦力)が強すぎても、
コアのフレアポテンシヤルが大きすぎても実現が難しいボールパフォーマンスで、
最新のハイテク技術を駆使した3Dシュミレーションによって開発されているのです。
そんな中、日本でも人気の高いストーム社は昨秋以降、
コア形状の大幅改良をおこなっていることが注目されます。
従来は人気の高いコアを採用して、カバーストックのみを変更することで
ボウラーの支持を得てきましたが、13ポンド以下のボールは、
比重の関係でコア形状を変えざるをえませんでした。
RGや△RGに差異が生じることで、ボウラータイプやレイアウトによって
コア比重の不安定な影響を受けることになり、ドリル技術の高さも求められてきたからです。
そこで「12〜16ポンドまでコア形状を変えない」という、本来なしえなかった技術を開発、
比重差によって生じる様々な差異を、最小限に抑えることを可能にしたのです。
ボール全体の比重バランスを安定させる技術開発に成功したことによって、
新たにコア形状を大幅に変更することが可能になったようです。
【コアの影響力を超えるカバーストック】
カバーストックの開発を最も得意分野とするエボナイト社は、
コアの影響力を超えるカバーストックの開発を推進しています。
マスバイアスを利用したボールのパフォーマンスは、ボウラーのタイプとレイアウトを
マッチさせることが重安ですが、コア形状でマスバイアスの影響を抑えることで、
カバーストックの性能を前面に押し出す、ローマスバイアスをコアデザインの方向性としています。
そのこだわりは表面仕上げの工程に現れていて、オイルの変化を極力受けにくくするため、
表面をダルにした箱出し仕上げボールが多くリリースされる傾向です。
さらに仕上げの段階では、ポリッシュマシーンの回転数を上げるパターンや下げるパターンなどの
バリエーションもボールスペック(仕様)に加えるなど、ボールパフォーマンスに最も影響ある
表面のこだわりを追求しているのが昨今の状況です。
【ハイブリッドカバーの安定感】
ブランズウイック社は、均質性の高いコアデザインを基本とする方向性は変わらないようですが、
カバーストックのハイブリッドで起こる、色の混ざり具合でリアクションが変わってしまうことを防ぐ新工法を開発しました。
ハイブリッドカバーはソリッドとパールの混合比によってパフォーマンスを創造する製法で、
ソリッドの比率が多ければオイリーコンディション対応になり、パールの配合比率を高めれば
スキッドが長くなるという特性をもたらします。
従来、ハイブリッドは色の混ざり具合によるパフォーマンスの変化が問題視される傾向がありましたが、
ブランズウィック社はいち早く技術開発に取り組み、安定化を図ることに成功しました。
【USBCがまたしても指穴のルールを変更】
昨年ご紹介したサムレス投法における指穴ルールが、8月から再び改定されるという発表がUSBC(米国ボウリング協会)からありました。
WTBA(世界テンピンボウリング協会)ではまだ改定に至っていませんので、
日本国内(JBC)のルールは昨年改定されたルールのままでしばらくは進むものと思われますが、
改定のテンポがあまりに早いことに、驚きを隠せません。
昨年お知らせしたルール改定は、使用のいかんに関わらず、指穴は5個までドリルできるということ。
この前提は変わりませんが、サムレスボウラーに関しては、サムホールに指を入れなくても、
手のひらで覆える位置に指穴があれば指穴と認識し、覆えない位置にあればバランスホールとする、という認識でした。
ところが今度は、サムホールに指を入れない場合、積っただけでは指穴とは認めず、バランスホール扱いになるという、
改定前のルールに戻ることになるのです。
これはサムレス投法のサムホールが対象で、フィガーホールは対象になっていないめ、
5個という指穴数は改定通りあけることは可能です。
なぜこんなに早急に改定されたかということなのですが、サムホールに指穴を入れない投球者(サムレス)は、
バランスホールを2個使用していることになって、バランスホールによる有益性が生じる可能性が高い、というのがその理由です。
いずれはWTBAルールに波及する可能性があり、そうなれば、日本にも改定する時期が来る可能性は否定できません。
国内でも、ツーハンド(両手)投法にトライするボウラーが増えつつある中、ルールの行方に注目していきましょう。
2014年今春のトレンド
ボウリングマガジン2014年5月号 2014ボールリアクション春より抜粋引用
キャリーダウン対策の新技術に注目
米国トップメーカー3社(ストーム・エボナイト・フランズウィック)によるシェア獲得争いは昨年同様に続いていますが、
今春は900グローバルがストーム社傘下に入ったことが、新たなボールメーカーの再編として話題になっています。
ボール製造において大きな変革は現れていませんが、
メーカー各社のカバーストック特性に色合いの違いが現れてきた感あります。
オイルへの吸着力はエボナイト社、バックエンドリアクションの強さはストーム社、
ブレイクポイントからの軌道の安定感はブランズウィック社、というように、
それぞれの特性を感じたユーザーらが自らのボウリングスタイルに合わせ、
各メーカのリアクション特性を求めるような傾向も現れてきました。
コンピューターによるシュミレーション技術が際立つエボナイト社なども、
カバーストックの開発テスト方法に変化の兆しが現れています。
従来の開発法としておこなわれていた、フレッシュコンデションでのスキッド性能や
フックポテンシャルなどを測定し、製品化していたものを、
新たにキャリーダウン後のボールモーションをいかに安定させるか、
というところに他社との優位性を見いだし、ゲームが進んでも
立ち位置を大きく変えることのないリアクション性能を追求するなど
デザインの矛先に新たな方向も感じられます。
長きにわたり、カバーストックの自社開発を続けてきたブランズウィック社も、
他メーカーのカバーストックを採用し、自社での開発コアとのコラボレーションにより、
従来出しえなかった新たなパフォーマンスを創出することに成功しています。
コア開発にも新技術
ストーム社に至っては、独自のコア開発が新たな話題として浮上してきています。
従来はどのボールメーカーも14ポンドまではコア形状を同一にすることが可能でも、
13ポンド以下は変えざるをえなかったため、RGやΔRGに差異が生じてしまう傾向が強く表れました。
「12ポンド〜16ポンドまでコア形状を変えない」という本来なしえなかった発想では、
重さによって生じる様々な差異を最小限に抑える効果があり、
重さによるパフォーマンス変化も少なくなるメリットが生じてきます。
先に発売された「ゼログラビティー」から新たなコア技術が採用され、
ストーム社のコアは新たな方向へ踏み出しています。
ハンマー社の新技術として注目れるのが、コアに炭素繊維を混入させるという、従来にない製法です。
繊維の房が添加剤と接続することで、ドライゾーン移行時に起こるエネルギーの
急激な衝撃スパイクを減少させる、というのが新たなアイディアです。
この発想の実現は、オイルによるボールリアクショシの反応を滑らかにさせる効果をもたらすことで、
コントロール性能を格段に進化させ、扱いやすいポールを誕生させるという期待につながってきます。
表面研磨剤に変化の兆し
ケミカルフリクションをもたらすミクロ粒子のカバーストックは、
様々なオイルヘのトラクション性能の違いを創出しています。
昨今は特に、最終箱出し仕上げのポリッシュまたはサンディングが、
バックエンドリアクションのレスポンスに影響を及ばすことが次第に理解されるようになりました。
従来のポリッシングでは、ハイパフォーマンス用とポリ用の2種類の粗さの違うコンパウンドにより、
下地の番手で差を付けてきました。
しかし現在は、ポリッシングマシーンのスピードを変えたり、クリーンシーンという番手の
粗いポリッシング剤なども多用されるようになり、そのプロセスの違いにより、
様々なリアクションのバリエーションを創出する時代へ突入しています。
そこでパフォーマンス寿命を維持するためにも、これらの表面仕上げに注目する必要性がクローズアップされているのです。
各メーカーの新たな研磨剤が、完全に市販普及されるまでには多少時間がかかりそうですが、
競技ボウラーレベルでは、自らもメンテナンスに
関わる重要性を再認識する必要があるのではないでしょうか。
従来は、ボール表面を加熱することへの忠告がメーカーから発信されていましたが、
近年、メーカーから新たに開発されたオイル抜き機のメカニズムは、ある一定温度に至るまでは加熱していますし、
実際のオイル抜きル抜き後の評価に対しては、圧倒的に支持されるという矛盾が現れていることも確かです。
様々なメンテナンスに、今後も注目していきしょう。
ドリル後の指穴数ルールが改定
話は昨年に遡りますが、WTBA(世界テンピンボウリング協会)のルール改定に伴い、
ドリル後の指穴数に関するルールが、JBC(全日本ボウリング協会)でも昨年4月1日をもって改定されています。
それまでは、使用する指名の数しか認められていませんでしたが、新たなルールでは、
使用の有無を問わずに、最大5個までドリル可能となりました。
したがって1個のボールで、フィンガーチップグリップとコンベンショナルグリップが混在することも可能となったわけです。
ただし、サムホールに指を入れた状態で、それぞれの指穴が届く距離にあることが前提となってます。
届かないホールは、バランスホールが従来同様1個、届く場合でも、例外として通気のための
ベンティングホール1個が指穴以外のホールとしてカウントされ、それぞれのグリップでバランス規定を
クリアすることが前提となってます。
さらにサムレス(親指を挿入しない)のケースでは、
従来サムを入れない場合のバランス規定がありましたが、新たな規定では、サムホールを一部でも手のひらで
塞ぐ位置にあれば2フィンガーではなく、3フィンガーとして適応することが認められました。
これにより、事実上ドリルに対する便宜が計られたことになるわけです。
日本にはもう一つ、NBRルールが存在しますが、この件に関してはそれぞれの
ボウラー団体でローカルルールとして処理されているため、詳細は関わっている所属団体でご確認ください。
2013 今秋のトレンド ボウリングマガジン2013年10月号 2013 ボールリアクション秋より抜粋引用
各社の主力アイテム動向はコア特性×アグレッシブカバー
ボールの開発技術の進化は著しく、コンピュータによるシミュレーションや
ケミカル(化学)のレベルでボールパフォーマンスがデザインされる時代となっています。
しかし、投球してみなければ最終的なパフォーマンスを決めることは
できないという状況は現在でも変わってはいないようです。
現状では米国トップメーカー3社(ストーム、エボナイト、ブランズウィック)がシェアを競っているようですが、
今秋は新たな開発情報はないようで、各社人気のあるコア特性をベースに、
アグレッシブなカバーを組み合わせたボールをリリースしているのが現況です。
それでも近頃はパフォーマンス特性が変化してきたことは明らかで、
従来のトラクション(摩擦力)の強いカバーとバックエンドリアクションの大きさは反比例して、
強いカバーほどバックエンドリアクションがおとなしく、ロールアウトする傾向が強く表れていました。
ところがコアによる軸移動特性が3Dソフトによりシミュレーションができることが可能になったことで、
アクシスローテーションができるだけ持続するパフォーマンスが設計上可能になっています。
つまり軌道が終わりにくくなってきているのです。
最近のUSBC(アメリカボウリング協会)情報として話題になっているのは
非対称コアボールの『PSA(マスバイアス)刻印』の件です。
どのメーカーも13ポンド以下の非対称コアボールは、
比重の関係でl5ポンドとは異なる形状のコアが採用されています。
14〜16ポンドでは明らかにPSAにロケ一ターピンが埋め込まれているのですが、
13ポンド以下にはピンとCGの延長線上に仮想マスバイアスの刻印が打たれていて、
必ずしもコア形状でその位置にマスバイアスが存在しない13ポンド以下のボールに
刻印を打つことは紛らわしいという結論に達しました。
USBCの指導の下、今後13ポンド以下のボールには刻印を打たない方向になる見込みです。
ピフォーメンテナンスの効果
ボールパフォーマンスの寿命は、やはりメンテナンスで対応するのが最良の方法で、
どのメーカーに限らず、同様のメンテナンススケジュールを提唱しています。
ただし、メーカー間で温度差があるのはオイル技きで熱を加えるか否かの問題です。
加熱すると可塑剤までが抜けてしまい、ボールそのものの劣化を促進するだけなので
絶対に避けるべきと力説する側と、50℃前後までは加熱する必要があり、
多少可塑剤は抜けるかわりにオイル抜きの効果は高まる、という説に二分されています。
なかなか検証できない状況もあり、意見が分かれるところです。
本誌でも何度か紹介をしたオイル抜き機(写真1)については
効果が実証され、今やメンテナンスの要となりつつあるようです。
同時に表面のRa値(凹凸)がレーン表面によって摩耗することで失われ、
もう一つのパフォーマンス劣化の原因としてクローズアップされています。
したがってリサーフェーシング(表面再研磨)の必要性もオイル抜き同様に理解され、
ボウラー個々のメンテナンス意識も高まってきています。
そんな中で近頃注目されているのがビフォーメンテナンスの効果です。
一般的には投球後にクリ一ナ−でオイル汚れを拭き取ることが常識となっていますが、
投球前にもクリーナーで表面を拭き取ることでバッグ内やロッカーで保管中表面に浮き出たオイル汚れを
クリーニングすることになり、パフォーマンスが向上するという説です。
一理あると思うので、効果を試してみてはいかがでしょうか。
クリーナーの種類も多種多様ですが、最近特に人気を得ているのがムース(泡)状のクリーナー(写真2)。
液垂れしないことから扱いやすさが支持されています。
さらに人気なのがクリーナーワイプ(写真3)で
まさにウエットペーパー状のクリーナーによる利便性に評価が上がっています。
ビフォー、アフターともにまずは毎回クリーナーでオイル汚れを除去することが
パフォーマンス劣化を抑えるためには重要です。
ただし、ゲーム中は禁止行為ですのでご注意ください。
それでもミクロ粒子の表面にはオイルや汚れが吸収され、パフォーマンス劣化は避けられません。
そこでボール表面のオイル抜きをすることで明らかにパフォーマンスが復活してきます。
消化ゲーム数の目安は50G〜60G程度のタイミングが効果的です。
本誌では手動の方法を過去に何度かご紹介しましたが、
今や初めに紹介した最新のオイル抜き機が効果てきめんで、明らかにその違いを感できます。
表面メンテナンスはオイル吸収とは別の劣化要因です。
こちらはもっと早いサイクルで、わずか10G程度でもローリングトラックが曇ってくることがあります。
ポリッシュ仕上げにはポリッシュマシーンやファクトリーポリッシュ研磨材で、
サンディング仕上げのボールはマイクロパッド(アブラロンパッド)(写真4)の箱出し仕上げの番手で、
クリーナーなどを潤滑剤としてボール表面を擦ることでパフォーマンスを維持することができます。
それでも50G〜60Gを消化した時点では表面が摩耗して、箱出しの表面粗粒度(Ra値)が失われてきますので、
その時点ではマシンによる完全なリサーフエーシング(写真5)が必要になります。
「ボールが曲がらなくなった」と感じたらこのようなメンテナンスをぜひ一度、お試しください。
ボウリングマガジン2013年5月号 今春のトレンドより抜粋引用
ボールアジャスティングのスキルアップを!
まずは、ボールを操るボールアジャスティング技術がその糸口だと考えます。
レーン手前を走らせることができて、さらにバックエンドでエネルギーを最大限に発揮させるボールの存在です。
最近開発されているハイパフォーマンスボールは、様々な添加物が研究され、
その配合により、摩擦力を含むパフォーマンスが創造されています。
かつてポリッシュボールは走り系とされていましたが、ヘビーオイルに対応できるボールも登場してきています。
サンディング仕上げは手前のキャッチ力こそあるものの、バックエンドまでエネルギーを保持することが難しく、
スピード不足で曲がりがルーズになり、十分な入射角が得られない悩みがあります。
そこがパワーを求められる所以です。
オイル吸着力が高く、表面粒子が細か昨今のハイパフォーマンスボールは、
サンディングボールとは異なり、オイル変化に対する適応幅も長いのです。
簡単ではありませんが、それらのボールを操るスキルを会得することで、
ゲームを有利な展開に導けると思いますが、いかがでしょう。
有効なボールメンテナンス
最近のハイパフォーマンスボールで、オイル吸着をしないものはないと、以前にもお伝えしました。
パフォーマンスの劣化も著しくなり、わずかなゲーム数をこなしただけでも、体温でボール表面にオイルがにじみ出てくる状況です。
なんとなく曲がりが小さくなったとか、ボールクリーナーで拭いているのに、
すぐ表面がベタついてくるなどの症状を感じたら、ボール表面のオイル抜きをお勧めします。
オイル抜きの目安は、30Gから50G。
週1回の3Gのリーグに参加して、いるとすれば、2〜3ヵ月に1回程度のオイル抜きで、ボールの復活を感じられるでしょう。
もう1つ、メンテナンスとして重要なのはボール表面のリサフェース(研磨)です。
表面の細かい粒子(凹凸)も、最近の合成レーンで削られていて、
60Gごとには箱出し仕上げのプロセスにしたがって再研磨が必要です。
つまり、リサフェースをすることで、表面を一皮剥くイメージです。
摩擦によって失われたRe値(ミクロレベルの表面の凹凸)を内部から表面に出すことで、箱出しの状態に戻すことができるのです。
また、ボールメーカーはマイクロファイバータオルの使用を推奨しています。
ミクロレベルの表面粒子に付着したオイルは、通常もタオルでは繊維が中まで入らず、拭き取れません。
繊維の細かいマイクロファイバータオルでなければ効果がないのです。
2012 ボール開発のトレンド
日坂義人(ヒサカプロダクション代表)
(ボウリングマガジン2012年7月、8月号から抜粋)と補足
最近のボール開発の傾向を追うと、今後どのようなニューボールが
商品のラインナップにのぼるのかボウラーのみなさんにとって
興味深いところだと思っています。
「今やオイルを吸収しないハイパーフォーマンスボールは存在しない」と
断言しているのはエボナイト・インターナショナル。
同社が2007年に業界初のオイル吸着カバーを発売以来、
そのメカニズムがレーン上のオイルへのトラクションの強化をすることが検証され、
米国のほとんどのメーカーがオイルの吸油性に着目し、トラクションの強化を競うかのように現在に至ってます。
近年のエボナイト社の特性としては、「サーフェーステクスチャー」と呼ばれている
化学合成によって、さまざまなミクロレベルの粒子の形状を形成する工法が採られ。
さらにカバーストックのパフォーマンスの劣化の原因となる目詰まりや変質を抑えるため、
薬品につけることでよりオイル吸収を高める製法を新たに開発しています。
ハンマー、コロンビア300、トラックといったエボナイト傘下のブランドも同様に、
カバーストックにおいてはオイルの吸油性を高めることが開発目標になってるようです。
追従するかのようにブランズウィックは、それまでのオイル吸着をしない
物理的フリクションカバーの開発から方向転換し、「ケミカル・フリクション・テクノロジー(CFT)」と称した、
ほかの材料メーカーと共同開発した、化学合成によって表面のRa値(凸凹)を形成する
手法に切り替わり、ボールリアクション強化に向かっての技術開発に成功しています。
それに対してストームは、固形添加物をナノレベルまで細かくしたものをリアクティブに
混入することで、化学合成によって作られた凸凹の途中にさらに細かい凸凹を生み出し、
元の山が摩擦劣化しても、表面をリサーフェーシングすることで新たな凸凹を生み出し、
Ra値を保持するというメカニズムを開発しました。
手法はパーティクルの範疇ですが、従来にも増したパフォーマンスの延命効果を
「ナノテクノロジー」として銘打ってます。
これらの証として、表面仕上げの番手が一昔前と比較すると考えられないような
滑らかな仕上げの変化していることです。
そのMAXともいえる4000番という仕上げにおいても、十分なオイル上のトラクションが確保されています。
ブランズウィックで特質的なのは、ベースを500番で仕上げた後、いきなり40000番仕上げを
施すことによって生じる、番手の落差によってRa値を高める手法が採られている点が興味深いところです。
新たに求められる方向性
昨今のボールスペックの中に、表面仕上げのプロセス表記があるのは、
表面の再生がオイル抜きと同様に重要であることを物語り、オイル抜き+サーフェーシングというのが、
新たなメンテナンス手法としてクローズアップされています。
コア開発としての注目は、ブラックコアの登場です。
マグネタイト(酸化鉄)の柔らかくて比重の重い性質を利用することで、
より低慣性なボ−ルの製造を可能にし、インナーコアとの密着度を高め、
衝撃吸収をより求めるアイディアが国内外のメーカーで採用されています。
従来のようなローRG、ハイ△RG、という、コアデザインに最大限求めていたスペックも、
RG,△RGをやや控えめに設定することで、軌道の特続性を可能にする方向にシフトされてきていることも
昨今のトレンドとなっています。
最新ボールメンテナンス(前編)
(オイル抜きとリサーフェーシングの必要性)
今やオイルを吸収しないハイパフォーマンスボールは存在しません。
オイルを吸収することによって摩擦力を保持する、というのが
最近のハイパフォーマンスボールに採用されているカバーストックのメカニズムです。
ところがオイルを際限なく吸収できるわけではなく、ある一定の深層部まで到達したオイルは
それ以上吸収されなくなってしまい、結果として摩擦力が低下してくるのです。
したがって、緩和状態になったオイルの除去をしないと新たにオイルを吸収する能力が無くなってしまうのです。
オイルが緩和状態になっているかどうかの判断としては、表面素材によって多少の違いはありますが、
緩和状態になると体温でもボール表面に手の形でオイルがにじみ出てくるようになります。
このような状態になったらオイル抜きの必要があります。
ゲーム数での目安としては約50〜60G程度でしょう。
もう一つのパフォーマンス劣化の要因は表面の摩擦です。
ボール表面は箱出し状態でボール固有のRa値(表面の凸凹)やRs値(凸凹の密度)が初期設定されますが、
レーンとの摩擦により、下記の図のように次第に凸凹が失われていきます。
Ra値Rs値は化学合成によって創られるミクロレベルの表面粒子ですが、摩擦によって失われた表面は
メーカーの箱出し仕上げ工程に基づき、リサーフェーシング(表面の再研磨)を施すことで再生することができるのです。
これらの詳細については後編で解説します。
以上のように、昨今はオイル抜きとリサーフェーシング、
この2つがボールメンテナンス」の手法として重要であることがメーカー各社から推奨されています。
(熱によるオイル抜きのリスク)
本誌でも何度か紹介していますが、夏場に車のトランクにボールを入れたままにしておくと
ボール表面に発汗が起き、べっとりとオイルが吹き出てくることを経験された方も多いことでしょう。
しかし、これはオイルだけではなく、ボールの摩擦力を保持するためにも重要な可塑剤までもが熱で分解され、
同時に噴出しているのです。
したがって、ボールに熱を加える行為は慎重にしなければならないのです。
また、ヒータータイプのオイル抜き機が一時普及しましたが、今やこの手法はメーカーからも否定されていて、
単にボールの寿命を短くさせている行為に過ぎないとまで言われています。
ヒーターによるオイル抜きを継続していると、可塑剤の大半が抜けた時期に表面にひび割れが起きることがあり、
今やボールにとってはリスクの多い行為と言わざるを得ません。
(オイルリムーブマシンの登場)
先頃、英国からボールメンテナンスに効力を発揮するオイル除去機器として発表になったのが
「ザ・ウェーブ」
これはボールメーカーが推奨するオイルリムーブマシンで、日本にも間もなく上陸する予定です。
このマシンの特徴はザ・ウェーブソリューションという添加剤を注入した水を満たした水槽内にボールを沈め、
徐々に熱せられた状態(約60℃)の水温を水槽内で循環させ、水の流れと添加剤の効果で
ボールの深層部まで浸透したオイルを除去するというメカニズムです。
ボールに負担をかけないように徐々に水温は低下して、約45分で作業が終了するという画期的なマシンとして注目を集めています。
また従来からの手法としては、バケツ大の容器にお湯(約50℃)を入れ、ビニール袋に入れたボールに
直接オイルリムーバーを噴霧して約20分ほど沈めると、表面にオイルが発汗してきます。
それをクリーナーで拭き取るか洗剤で洗い流すか、という方法があります。
いずれの方法も吸着したオイルを除去することがパフォーマンス劣化を
最小限に止めるためには有効な手法となってます。
さらに簡単な方法として最近注目されているのは「ボール・ステロイド・ワイブス」という、
リムーバーが染みこんだウエットペーパー状のタオルで表面のオイルを拭き取る方法です。
手軽にオイル除去できることもあって、こちらも注目のアイテムです。
(日常の手入れはクリーナーで)
使用しているボールに吸収されたオイルが緩和状態になることへの歯止めとしては、
やはり日常的なメンテナンスが不可欠です。
1つには投球ごとにマイクロファイバータオルで拭き取ることが効果的です。
通常のタオルに比べ表面のオイルを吸収する効果があります。
そしてプレイ終了後には必ずボールクリーナーの使用が不可欠です。
ボールクリーナーも様々なものが製造されていて、使用する側が迷いそうですが、
実はクリーナー自体にWTBA(世界テンピンボウリング協会)ルールが
適用されてることをご存じない方が多いと思います。
USBC(英国ボウリング協会)が認定したもの以外は公認されていませんので、
WTBA公認ゲームまたは傘下のJBCの公認試合で使用には十分な注意が必要です。
さらにゲーム中の使用もルールで禁止されていることも理解しておきましょう。
最新ボールメンテナンス(後編)
昨今のボールメンテナンス事情
(摩擦によるパフォーマンスの劣化)
昨今、多くのボウラーにとっての重大関心事のひとつがボールのオイル吸着であることはあらためて
言うことでもないと思います。
そこで、ここでもうひとつ、ボールがもつパフォーマンスの劣化に関わるテーマに触れてみたいと思います。
最近、メーカーから注意喚起されていることとして、表面摩擦があります。
化学合成によって形成されるハイパフォーマンスボールの表面は超微細孔と、
同時に作られる凸凹(Ra値・Rs値)によって摩擦力が保たれているのです。
普及目覚ましい合成レーンの表面は、ウッドレーンに比べて3倍近く硬い樹脂で覆われているため、
ボール表面の摩擦も著しく、わずか10G程度で箱出し状態のRa値に下記の図のような変化が起きてくるのです。
従来から考えられているパフォーマンスの劣化は、単にオイル吸着がリアクション低下の原因と思われていたのですが、
実はもうひとつの劣化の原因は表面の摩擦であることも見逃せない状態になっているのです。
(ボールの摩擦を保持するもう一つの基準Ra、Rs値とは)
それではRa値、Rs値とは何を表しているのでしょうか。
下記をご覧ください。
表面の凸凹を拡大したものですが、凸凹の深さの中間地点の数値が
Ra値(ラフネス・アベレージ)で山と山の頂点の距離、つまり山の密度を表しているのがRs値ということになります。
Rs値は製造上の規定があり、50μin(マイクロインチ)以下の凸凹が箱出しでの条件になっています。
黒のインサートテープの表面が67.6μinですから、比較するとかなり細かい表面であることがわかります。
Rs値に関する規定は現在はありません。
(60G消化で完全なリサーフェースを)
最近メーカ各社が表面加工のプロセスを発売時に公表するようになりましたが、
これはまさにリアクションの劣化時にパフォーマンスを復活させる手法として明らかにしているものです。
一般的にボールスピナーを使用して、図3のように4面研磨しますが、
20〜30G消化時点ではSIDEIと2の面を、
60〜80Gでは4面すべての研磨が望ましいというのがメーカからのアドバイスです。
そこでリサフェースの具体的な手法を図3にてご紹介します。
ボールスピナーさえあればできる作業なので、さほど難しいことはありませんが、
表面の番手毎に時間目安があり、次にメーカからのアドバイスをご紹介します。
図3
SIDE1=グリップセンターを頂点に半球部分に水を噴霧し、アブラロンパッド、
またはマイクロパッドのグリット(番手)を合わせて研磨します。
SIDE2=ボールを180度反転させて、同時に研磨します。
SIDE3=さらにボールを90度反転させて、同時に研磨します。
SIDE4=またボールを180度反転させて研磨して終了です。
(サンディングによるリサーフェーシング)
※1000番ファクトリーフィニッシュ
1000番のアブラロン又はマイクロパットを使用した、マット仕上げです。
@最初に500番で下地の仕上げを各面15秒間、4面サンディングします。
Aその上から1000番パッドを用い、30秒間、4面仕上げをして終了です。
※2000番ファクトリーフィニッシュ
2000番のアブラロン又はマイクロパットを使用した、マット仕上げです。
@500番での下地仕上げを15秒間、4面サンディングします。
A2000番パッドを用い、その上から50秒間、4面仕上げをして終了です。
※4000番ファクトリーフィニッシュ
4000番のアブラロン又はマイクロパットを使用した、マット仕上げです。
@500番での下地仕上げを15秒間、4面サンディングします。
A4000番パッドを用い、その上から1分間、4面仕上げをして終了です。
(ポリッシュ仕上げのリサーフェーシング)
※1500番ポリッシュファクトリーフィニッシュ
@500番での下地仕上げを15秒間、4面サンディングします。
Aグレイのスコッチブライトと用い、その上から40秒間、4面仕上げします。
Bポリッシングコンパウンドを使い、軽く15秒間、2面ポリッシュをします。
※4000番ポリッシュファクトリーフィニッシュ
@500番での下地仕上げを15秒間、4面サンディングします。
A1000番のパッド用い、その上から20秒間、4面仕上げします。
B2000番のパッド用い、その上から25秒間、4面仕上げします。
C4000番のパッド用い、その上から30秒間、4面仕上げします。
Dポリッシングコンパウンドを使い、30秒間、2面ポリッシュをします。
以上がボールスピナーを使用したリサーフェーシング法ですが、
最近は「サーフェースファクトリー」など、機械的に研磨をする方法が採れれば、より有効で確実です。
大いに利用することをお勧めします。
(メンテナンススケジュール)
最後にポリッシュ仕上げとサンディング仕上げについて
それぞれのメンテナンスの時期と方法を下の表にまとめてみましたので参考にしてください。
(メンテナンススケジュール)
時期 ポリッシュ仕上げ
投球間 マイクロファイバータオルで拭く
プレー後 ボールクリーナーでクリーニング
10G毎 リアクターシャインでポリッシュ
30G毎 表面を2面研磨して箱出しポリッシュ仕上げ
60G毎 完全なリサーフェーシングをおこなう
時期 サンディング仕上げ
投球間 マイクロファイバータオルで拭く
プレイ後 ボールクリーナーでクリーニング
10G毎 箱出し仕上げの最終番手で研磨
30G毎 箱出し仕上げの最終番手で研磨
60G毎 完全なリサーフェーシングをおこなう
この様にボウリングマガジンでも
最近のボールはボールメンテナンスが必要不可欠だと書いてあります。
このホームページをご覧になって皆様のスキルアップと
スコアーアップのお手伝いになれば幸いです。
以下の記載事項についてあらかじめご了承下さいますよう、お願い致します。
【商品について】
●商品ラベルのデザインは、予告なく変更する場合があります。
●改良にともない商品の仕様(バージョン)は予告なく変更になる場合がございます。
●容器のデザインは、ロットにより変更になる場合があります。
●画像・イラスト・図解は、効果をわかりやすく説明するためのイメージです。
●商品の写真につきましては、できるだけ実物の色に近くなるように努めておりますが
お使いの環境(モニター、ブラウザ等)の違いにより、
色の見え方が実物と若干異なる場合がございます。
【クリーナーのカラーについて】
●生産時期により、着色カラーが多少が異なる場合がございます。
【商品の金額について】
●材料の仕入れ価格などにより変動します。
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